もう8月も終りなので、いま書いておかねば、と。
やっぱり夏になると聴きたくなるアルバムというのはあって、自分の場合はこれに尽きる。
Jungle Smile(以下ジャンスマ)について書きたいことはたくさんある。あり過ぎるほどある。
とにかくこのグループは不当に過小評価され過ぎじゃないかという気持ちが常にある。
その最たるものがこのミニアルバムで、これはもう紛れもなく名盤である。
ジャンスマのアルバムのなかではフルアルバムを差し置いて一番完成度が高いと思う。
99年、一時活動休止する前の作品で、もともとシングルを制作する予定で進行していたものが、ゐさお氏がふと気づいたイクノフの掠れる鼻唄の素晴らしさを生かすため、初のコンセプト・ミニアルバムの制作へと方針転換された…と、かつてゐさお氏のHPで読んだ気がする。間違ってたらすみません。
とにかくエレクトロニカ/アコースティックな音が素晴らしい。ゐさお氏のサウンドプロダクションは、たまにイクノフのヴォーカルと分離して主張しすぎることがあるように思うが、このアルバムにはそれがまったくない。
風鈴の音や川のせせらぎとあいまって、ひたすら心地好い40分。またこのランニングタイムも絶妙。
新曲はラストの「夏の情景」のみ。他の曲は再録だが、個人的にはどの曲もここに収められているバージョンのほうが好き。ミニマルなシークエンスにイクノフの声が重なると、切なくてどうしようもなくなる。まさに「おなじ星」みたいに、「胸がギュンてなる」のだ。
音だけならずアートワークも秀逸で、プラケの透明感を生かしたジャケに、ポラロイドを模した歌詞カードが付く。この写真が一枚一枚すごくいい。
ここにupしたのは中止になったツアーのパンフレットからで、CDに使われなかった良い写真がいっぱいある。
ジャンスマがろくに評価されなかったことはどう考えてもおかしい。
でも、2002年の活動休止以降も、FMにリクエストされたり、CSの番組でBGMとして使われているのを何回も耳にした。良いものを良いと言い続けている人がいるんだろう。
そうでなければおかしい。もちろん自分も言い続けていくつもりである。