行こう行こうと思っていた銀座シネパトスの「新春みんなの寅さんまつり」にようやく行った。
ロビーの展示もすごく力が入っていて楽しい。
上映作品はシリーズ後期の2本。
「ぼくの伯父さん」は満男シリーズの第1作。正直あんまり期待しないで観たけど、寅さんがかっこいい。それまでの、例えば第17作でぼたんのために一肌脱ごうとするような男気とは全く違う、満男の人生の先輩としてのかっこ良さ。その分柴又の皆さんとのケンカとかは少なくてあっさりしたものだが、これは渥美さんの体調とかも考えると仕方ないんだろう。
ただ満男と泉の描写はなんというか、無理してるなぁという感じ。90年代初頭の20代ってあんな感じだったのかというとそれも違う気がするし。徳永英明の挿入歌も成功してるとは言いがたい気が…。
伯父がカッコ良すぎるぶん、甥も必要以上にかっこ悪く見える。優柔不断さにイラッとくる瞬間も何度かあったが、これは満男シリーズの中ではマシなほうだそうな。
マドンナの檀ふみさんも綺麗だし素敵なのだが、倍賞千恵子さんの演技の方が印象に残る。本作の主人公は間違いなくさくらさんである。息子からすればウザイことこの上なかったりする母親ぶりが本当に上手い。
ただ個人的に一番嬉しかったのは戸川純ちゃんが出てたこと。短い出番だが、純ちゃん可愛い。
もう一本は「ハイビスカスの花 特別篇」。番外編みたいなもんだしこれもあまり期待はせずに、まぁ映像が綺麗になってればいいやぐらいの気持ちで観た。
満男の独白で始まる構成から、本作も満男シリーズの一本なのが分かる。駅のホームに寅さんがいる合成は色調が合ってないけどご愛嬌。
冒頭に「忘れな草」「相合傘」のシーンも追加されてるのでちょっとお得感がある。夢のシーンが満男のシークエンスと差し替えられた以外はほとんどオリジナル通り。オリジナルはもちろん好きだけど、他のリリー編2本と較べるとシリアスさが増してるので愛着は少し落ちる。病院で再会するシーンとかは大好きなんだけど。
ラストにも若干追加場面があり、満男の独白はさらに続編を作れるようなものになっている。松竹の意向か監督の意向か知らないけど、もう寅さんは休ませてあげなよと思ってしまった。