佐々木昭一郎「春・音の光」

NHKオンデマンドでの配信が終わってしまうので、佐々木昭一郎の「春・音の光」を観る。

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「川の流れはバイオリンの音」から始まる川シリーズの3作目にして、中尾幸世さん最後の佐々木作品。
中尾さんは本作を観て、佐々木監督の意図に応えきれていないと感じたという。それは川シリーズが終了する原因の一つにしか過ぎなかったのだろうが、実際に作品を観るとやっぱり前作や前々作と較べると鮮度が落ちてる感は否めない。

「夢の島少女」にまで遡って較べなくても、「川の流れはバイオリンの音」では生き生きとしていた中尾さんの表情が、本作では笑顔が張り付いてるように見えてしまう。栄子と一体だった中尾さんが、佐々木昭一郎と彼の持つ栄子像についていけなくなっている。この後の佐々木作品はどんどん自分の持つ世界に入っていってしまって、初期の作品にはあった視聴者と共鳴する感覚が後退していく。その兆しが本作にも現れている。

単純に言ってしまえば毒のなさが物足りないのだと思う。「夢の島少女」や80年頃までの一連のエッセイにみられる暴力衝動や劣等感は、「川の流れはバイオリンの音」まではかろうじて残存していたように思う。(男に追いかけられるシークエンスなんかがわかりやすい。)
それが本作や「アンダルシアの虹」では弱い。重要なモチーフの戦争にしても、描かれてはいるがなぜかそれが迫ってこない。人の死も同様。陰と陽のバランスが崩れてしまったかのような印象だ。

「川シリーズ」のコンセプトは本当に素晴らしいと思うし、80年に書かれた企画書は作者の高揚する精神を伝えてあまりある。個人的にも世界中の川を旅してもっと作品を創ってほしかった。でも、たとえ川シリーズが続いたとしても栄子(A子)の旅は本作で最後にならざるを得なかっただろうなと感じさせてしまう寂しさが本作にはある。

「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第9話・第10話

第9話「チルチルミチルの青い鳥」
んー、なんかテンポ悪い。三姉妹の出番が少なくて、吹越満の一人芝居を延々見せられてる感が強いからか。フライドチキン男は出ずっぱりだとちと辛い。
妙にロングショットが多かったのも間延びしたように感じる要因かも。
ミチル役の子は可愛かった。

第10話「ETおばさん見参」
ETおばさん初登場。“カズみたいな右足”って台詞に時代を感じる。ちょうどJリーグが開幕した年。
予告で言われていたほどパパは活躍しない。花子の小学生らしくない笑顔が可愛い。そんな彼女のスリッパ叩きも初登場。

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The Who「Then And Now 1964-2004」

初来日から9年。アンコールシリーズの横浜を聴こうかと思ったけど、今年は「Then And Now」を聴いている。「Real Good Looking Boy」と「Old Red Wine」が収録された04年発売のベスト盤。The Whoには破れたポスターがよく似合う。
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新曲がリリースされるという情報に狂喜した。最初はどうせまた嘘だろうと思ったが、本当だった。
ニューアルバムじゃなくて、新曲2曲だけをベストに収録するやり方がストーンズと同じだったのでちょっと複雑だったが、「Real Good Looking Boy」を聴いて、曲の良さにそんなウヤムヤは吹き飛んだ。
まぎれもなくフーの音だったし、04年になってなおクラシックになり得る曲を作れることに感動した。
プロモクリップもめちゃくちゃカッコ良くて、繰り返し観た。まだネット上に今ほど映像や音源がなかったので、観たことのないフッテージに驚いた。
その後「Endless Wire」が出た時ももちろん嬉しかったけど、このときほど興奮はしなかった。

下の動画は「Amazing Journey」でも使用されていた05年のライブ。
ジョン没後の2人の関係をそのまま表しているような演奏だ。ロジャーの歌につられて伴奏に力がこもっていき、思わず立ち上がるピート。何度観ても素晴らしい。

The Who「Then And Now 1964-2004」 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: The Who タグ

終りの始まり

予想はしてたけどがっくり。どこまで右傾化するんだろう。
自殺も増えるだろうな。こんなに生きていくのが辛い時代…いや、時代のせいにするのはやっぱり逃げだな。
終りの始まりだ。全力で生きてやる。

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「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第7話・第8話

第7話「誰かがあなたを愛してる」
雪子お姉ちゃんが主役の回。前回がブッ飛びすぎだったせいか妙にマトモな話に思える。「チンプイ」を思わせる話だ。
どいつもこいつもモクベエを投げて酷い。本当に投げてるわけじゃないと分かってはいてもこういう演出は苦手。「猫と庄造と二人のをんな」を観たときの嫌な余韻を思い出す。
フライドチキン男の諺解説で爆笑。

第8話「謎の2・29事件」
第2話のコロッケ屋の主人に続いて今度はケーキ屋の主人が犯人。三姉妹をトラックで轢き殺そうとしたり結構陰湿。誕生日を襲うところと黒いマントが「怪奇大作戦」のこうもり男を思わせる。もちろんあんなに重い話じゃないけど。
ラストでパパとケーキ屋にシュシュトリアンの正体がバレちゃってるような気がするけど…。
フライドチキン男、悪ノリしすぎ。

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松林宗恵「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」@神保町シアター

久しぶりの神保町シアター。なんと特撮特集で、らしくないけど嬉しい。ラインナップも不思議。
今日は戦争大作「ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐」。
「キンゴジ」や「世界大戦争」と並んで東宝特撮黄金期の象徴的作品。なんといっても大プールは本作のために作られたのだ。

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観るのは2回目。平板な印象だった前回と違って、結構テンポ良く感じられた。ちゃんとスクリーンで観たおかげかもしれない。
それでもちょっと冗長というか、特に前半メリハリに欠ける感じはある。出演者はすごいが、それを活かしきってるとも言い難いのは「日本誕生」なんかと通じるところ。

ただやっぱり特撮は凄い。「ハワイ・マレー沖海戦」のリベンジといった趣もあるけど、大プールを活かしきった真珠湾攻撃シーンは、奥に見える空がホリゾントなのを忘れてしまう。
飛行機の操演はもはや円熟の域だが、爆撃機が通過したあとで木々が揺れる有名なシーンは、個人的にはしつこいと思う。しつこいというか、いかにも「これからこの木が揺れますよ」という感じで森林をメインに捉えたアングルが惜しい。さりげなく画面下方に映ってたほうがリアルな気がする。でもリアリティと面白さは違うしな…。
飛行機よりも心躍るのは爆発で立ち上る水柱と、ゆっくり海面に降り注ぐ水飛沫。オーバースケールではあるけど、これぞ円谷特撮という感じがして嬉しくなってしまう。

ラスト、海底に沈んだ飛龍の中で三船敏郎と田崎潤の幽霊が戦争の愚かさを語る。本作に限らないが、当時の映画人たちの志の高さには心打たれずにはいられない。
時節柄、いろいろな思いが脳裏をよぎった。

ポール来日決定!

ポール・マッカートニー来日正式発表!
東京はドームで3公演。全部行きたいけどチケット代が…。
11月といえば5年前はフーを全公演追っかけてた。
今年はポールだ!