「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第19話・第20話

第19話「妖怪・理想の主婦」
雪子お姉ちゃんサングラス似合わないなー。ルミさんはなんで妖怪になったのか曖昧なままで少し物足りない。最期もあっけない。仏壇を前にして雪子が見た悪夢はいかにも東映特撮っぽくて嬉しい。
ママと雪子のコンビは好きだなぁなんとなく。

第20話「原料魔がゆく!」
イマイチよくわからない理由に乗っ取り狼藉を働く科学者崩れの男、坂本原料魔。これだけブッ壊れた世界観に思い出したようにダジャレをまぶすことになんの意味がありましょう。
冒頭に現れる金持ちのおばさんやら、唐突に始まる元素云々のお説教やら、シュールというのも違うような気がする。始めからまとめようとしてないのかな。
少年時代の原料魔氏が束の間姿を見せるも、べつにやり直せるわけでもなくそのまま消えるという放り出すようなオチも決まる。フライドチキン男がカメラ研究会に喰われそうになるという弱いオチも蛇足感たっぷりで良い。

もうそろそろシリーズも折り返し。早いなー。やっぱり打ち切られたのは惜しい。

chouchoutrian2

追悼・梶田興治監督

18日に梶田興治監督が亡くなった。

ripkajita
↑「ウルトラQ伝説」(ヤマダマサミ著・アスペクト)より。

金城哲夫氏と一緒にキャスティングを決めたり、制作第一話を共作したりと、『ウルトラQ』、ひいては初期円谷プロ作品の基盤を築いた人だ。
梶田監督が東宝仕込みの手堅い演出で作品世界の基礎を固めておいたからこそ、円谷一監督や飯島敏宏監督が存分に個性を発揮した演出をすることも出来たのだと思う。

「悪魔ッ子」には70年代以降の円谷プロからは消えてしまう“闇の魅力”とでも言うべきものが凝縮されている。『怪奇大作戦』で花開く、あの世界だ。『怪奇』が企画スタート当初手本にしていたのが東宝変身人間シリーズだったことを考えると、まさにそれらの作品に助監督として参加していた梶田監督による『怪奇』も観てみたかったと思う。
「悪魔ッ子」と「206便消滅す」に挟まれた木村武の没脚本「幽霊自動車」が制作されていれば、そんな闇の魅力に彩られた傑作がもう一つ産まれていたかもしれない。ご本人もやりたかった作品だとおっしゃっている。とても惜しい。

梶田監督がいなければウルトラシリーズの成功はなかったと思います。ありがとうございました。
天国で本多監督と再会している頃でしょうか。安らかにお眠り下さい。

追悼・山口冨士夫

突然の訃報。死因にすっきりしないところがあるのがまた残念だ。
冨士夫さんを最初に聴いたのは「村八分ライブ」で、とにかくカッコ良くて衝撃だった。ストーンズやりたいんだろうというのは伝わってくるが、正直言ってストーンズより村八分のほうが全然カッコイイ。

GSを聴くようになってダイナマイツに出会ったときの衝撃も忘れられない。
「トンネル天国」! 言うまでもなくカルトGSの頂点に鎮座する名曲。
グループとしてはこんな曲をやるのは不本意だったかもしれないけど、すっかり自分達の色に染め上げてしまってるのがいい。こんな曲やりたくねーってイライラを演奏にぶち込んだみたい。
以前はアルバムバージョンのほうがヘヴィで好きだったが、シングルバージョンのスカスカさがいかにもオブスキュアで最高である。
R.I.P.

「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第13話・第14話

第13話「好き嫌いのあるゴミ箱」
イマイチ。フライドチキン男はアクションもできるのね。
花見客の中にうるさい演技をする男がいてイラッときた。べつにいいんだけど。

第14話「シュシュトリアンの父現わる!?」
敵は怪人というよりただの変質者。ただの変質者が警察のトップであるという絶望と現実。前回みたいなシュールな話よりも今回のような身も蓋もない話のほうが浦沢脚本が冴えてると思う。
Aパート終わりでシュシュトリアン父が名乗る場面。大袈裟な音楽をバックに棒立ちのシュシュトリアン父を雑にティルトアップ・ダウン。爆笑。
名乗りの口上が新登場。次回予告もだんだん脂が乗ってきた感じ。NGフィルムが見られて嬉しい。

chouchoutrian2

「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第11話・第12話

第11話「なにか妖怪?」
丹古母鬼馬二の怪演が光る、と思いきや妖怪ペペに食われてそうでもない。妖怪が着ぐるみをかぶった兄ちゃんにしか見えないのが素晴らしい。でもそれだけで、特に印象に残らない回。

第12話「働く小学生のユーウツ」
敵はキャリアウーマン。恐ろしいキャリアウーマン。ショーン・ヤングのようなキャリアウーマン。「キャリアウーマンに聞かれたら大変だ!」他、名ゼリフ多し…というか単にツボにはまっただけかもしれない。
シュールなおバカに貫かれているかと思うと、実は本質的なことを言っていたりする。バランスの取れた傑作。
フライドチキン男、今回は花子のクローゼットの中に。いいなぁ。

chouchoutrian2

海洋堂フィギュアワールド@池袋東武

池袋東武で開催中の「海洋堂フィギュアワールド」に行ってきた。
入場無料でしかも撮影OKなのが嬉しい。

kaiyodo130805

ただタイトルが示す通りメインはフィギュアで、目当てのガレージキットは前史としてややあっさりめの展示で少し寂しい。

goutenbacuum
バキュームフォームキットの轟天号。とにかく超難物らしいが、すべてはここから始まったのだ。

hyperkingodzimothgodzi
酒井ゆうじさん初期の名作キット、ハイパーキンゴジとハイパーモスゴジ。
8歳か9歳のときにお年玉で買ったが歯が立たなかった(当たり前)。今ですらまともに作れるか怪しい。

チョコエッグ以降の食玩やリボルテックにはあまり興味がないのでサラッと見たが、それでもどの製品もクオリティが高くて飽きない。
親子連れやサラリーマンからなんとなく入ってきちゃったご老人まで、客層も幅広い。みんな楽しんでる。でもやっぱり小さい子が食い入るようにショーケースを眺めているのを見るとこっちも嬉しくなる。
出口にはガシャポンが並んでいて、子供がお母さんにせがんでハンドルを回してる。300円のガシャって高くて抵抗あったんだけど、今の子はいいなぁ。
10年前はまさか海洋堂が食玩やカプセルトイを牛耳るとは思ってなかった。バンダイとかユージンって今なにやってんだろう。

海洋堂にはガレージキットの再販もお願いしたい。レジンキットは当日版権モノが生き残ってるからまだしも、未塗装のソフビ怪獣キットはほとんど絶滅状態で寂しい。昔は上手く作れなかったキットにリベンジしたい。

海洋堂フィギュアワールド@池袋東武 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: 特撮, 模型 タグ , ,

石川淳「マルスの歌」

石川淳。『マルスの歌』。

junyes

単純な小説ではないが、とにかく格好良い。

作家は世の中の“空気”を嫌悪し、同調を徹底して拒否している。
「マルスの歌」は架空の軍歌らしいが、軍神の名前を冠したところにも戦争に対する嫌悪は明白だ。

でもこの作品を反戦小説としてのみ捉えたくはない。もっと烈しい、生き方の表明みたいなものだろうか。
戦争批判より、同調圧力に対する生理的な嫌悪感のほうが前面に出ているように思う。
この国自体への、根本的な違和。

富士山を形容する一文が奮っている。

ふと北のほうの空を見上げると、どうしてもっと早く気がつかなかったのかと思われるほど大きく、高く、空いちめんを領して、非常にはっきりフジが浮き立っていた。しかし、頭脳にたたかいを挑むべき何ものももたぬこの山の形容を元来わたしは好まないたちなので、いかにそれが秀麗らしく見えようとも、なおさら感心するわけにはゆかなかった。

日本の象徴を指して〈頭脳にたたかいを挑むべき何ものももたぬこの山〉。そしてそれが〈いかに秀麗らしく見えようとも〉〈形容〉することを〈好まないたち〉。
痺れるしかない。

そして最後、またも歌われる「マルスの歌」に対して主人公は一言、「うるさい」と叫ぶ。

市井の人々の間隙を縫って低空飛行しているような、石川淳独特の余裕はほとんど感じられない。
前方に立ち込める暗い時代の予感と、それに対する作者の強い「ノン」の言葉。

作者の反骨精神を尊敬はするが、いつもの作者が味わわせてくれる爽快感は無い。
それは石川淳をしてこれを書かざるを得なかった時代の空気が、こちらにも伝染してくるからだ。

厭になる。今とあんまり変わらないんだもの。