Isn’t It A Pity.

ジョージが亡くなったのはビートルズを聴き始めてすぐの頃。
そのぶん事実の重みが実感として湧いてこなかった。死んじゃったんだなぁ…という程度。
それからビートルズやソロ、それ以外の音楽と聴き進めていくにつれて、ようやくジョージの影響力や人柄なんかについて思いを馳せる事が出来るようになった。
そしてもうこの世にはいないという寂しさがだんだん大きくなる。
それでもやっぱり、同時代を少しでも生きられたことが嬉しい。

ジョージの曲は優しい。ジョンのように声を荒げるのではなく、ほんの少しの諦観も交えて、静かに事の成り行きを見つめているようだ。

The Who「Tommy – Super Deluxe Edition」

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悩んだって結局は買うことになるんだしと発売日に買ってやった。それにしても小学生が考えたようなスーパーデラックスな商品名はなんとかならないのか。

まだ数曲ずつ拾い聴きしただけだし、Disc-3のブルーレイは視聴環境が無いので音がどうなってるのか分からないが、個人的には素直に喜べない商品だった。

ボックスやハードカバー本は『Quadrophenia – Director’s Cut』の流れを汲んでしっかりしたもので満足度は高い。ジャケに4人の顔が戻ったのも国内盤紙ジャケ以外では久しぶり…じゃないのかなぁ。

DIsc-1のリマスターは03年リマスターよりも音圧が低くなってる。個人的には03年版のほうが迫力があって好き。英国オリジナルの印象にも近い。60年代のアルバムの中には、ドンシャリまではいかなくてもある程度音圧稼いだほうが似合うアルバムがあると思う。ビートルズのモノリマスターもその点で残念だった。

Disc-2はピートのデモ。ブートでお馴染みなので新鮮味は無いけど、さすがに音質は良くなっていて嬉しい。たまに「Tommy」はスタジオ盤よりピートのデモのほうがいいと思える時もある。宅録の魔力が詰まった音楽だ。
「Trying To Get Through」と「Young Man Blues」の2曲が蛇足のように追加されている。03年版そのままかと思ったらテイク違い。でもこれなら03年版のDisc-2を全曲持ってきて5枚組にしても良かったんじゃないかと思う。どうせコアなファンしか買わないんだし。

Disc-4のライブ・ブートレッグは主にオタワ公演かららしい。ブートと聴き比べでもしたら楽しめそうだ。
でもこのディスクが今回一番不満がある。「I’m Free」以降の曲の大部分が76年のスワンジーから採られているのだ。
スワンジーは確かに名演だが(トミー・パートはそうでもないとも思うけど)、いくらなんでも無理がある。
既発でも69〜70年の他公演から音を持ってくるか、それが出来ないならスワンジー公演を使用していることを明記すべきだろう(ブックレットも精読してるわけではないので見落としてるのかもしれないが)。

こういう小手先で取り繕うようなことをされると萎える。『Live At Leeds』のボックスを見送ったのもハル公演のベースパートを切り貼りしてまで収録する意味があるように思えなかったからだが、なんというか、無理な編集をしなければならないと判った時点で企画を見直すべきだろうと思う。
今だからこそキースをフィーチャーしたいのかもしれないが、69年のライブで「Tommy’s Holiday Camp」を歌っていたのは彼ではない。これじゃリミックス・リマスターシリーズと同じでコンパイラーの思い入れ次第で歴史を改竄してるのと同じだ。
テープに損傷があるものをそのまま出すのは商品として問題があるというのは分かるが、それならそれに見合う世への出し方を考えれば良い話だ。

The Whoは世界一好きなバンドだ。だからこそ運営側にはこんなことはして欲しくない。
こんな商売を続けていったら見捨てられてしまうよ。それこそトミーのように。

(追記)
そういえば「Young Man Blues」が『The House That Track Built』バージョンでCD化されるのは初めてかもしれない。でも『Tommy』のボックスなのにそんなところでポイント上げられてもなぁ…。

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Paul McCartney@東京ドーム 11/21

paulfront

今回のOut Thereツアー最終日の東京ドーム。早めに行ったつもりが物販ブースには既に長蛇の列で、結局1時間強並んでツアーパンフとTシャツを購入。さっさと入場。わりと良席で一安心。

開演前にステージ両脇に流れる映像にピートがちょこっと映っていて嬉しかった。BGMは主に70年代〜80年代の曲のリミックスで、これが結構いい。
petescreen

そうこうしているうちにポール登場。1曲目の「Eight Days A Week」は冷静じゃなかったからかあんまり覚えてなくて、それより2曲目早々に新曲「Save Us」をぶち込んでくる現役感に打ちのめされた。文句なしにカッコイイ。
「Queenie Eye」も「New」もライブ映えしていた。最近の曲では「Dance Tonight」を聴きたかったがそれは贅沢だろう。
ジョンとジョージに捧げる「Here Today」と「Something」は02年とおなじ曲目だが、「Something」はウクレレだけのアレンジよりこっちのほうが絶対にいい。『Concert For George』の流れなのか。
ナンシーに気を遣ってかリンダ本人の映像はなかったけど、「Maybe I’m Amazed」は熱演。「My Love」じゃなくてよかった。
WIngsの曲だと「Listen To What The Man Said」「Hi, Hi, Hi」が嬉しかった。本当は「Goodnight Tonight」あたりを聴きたいんだけど。「Band On The Run」「Hey Jude」「Ob-La-Di, Ob-La-Da」あたりの大合唱曲は曲の持つ大きさに改めて気付く。あまりにメジャー過ぎて逆に軽視しがちだけど誰にでも愛される曲にはやっぱりそれだけの力があるのだ。

アンコールでは「Yesterday」はサラッと流して「Helter Skelter」!本当に驚異的なノドだ。ノドだけじゃなく、見た目もギター2人はそこそこ老けてきてるのにポールだけは10年ぐらい変わってない。どうなってるんだろう。
主にジョージのパート弾いてたギターの人(名前知らないスミマセン)はフィードバックしまくり、ウインドミルしまくり、ギター投げまくりで好感度上がった。でもダックウォークを俯瞰で撮られてたのはマヌケだった。

最後に「See you next time!」と言ってくれたのが嬉しい。あと20年ぐらいは余裕で歌いまくってくれるはず。
intheend

「有言実行三姉妹シュシュトリアン写真集 雪月花」

YouTube東映チャンネルでのシュシュトリアンの配信が終わった。
最終回も含めて数本は視聴しなかった。DVDを買う楽しみをとっておくため、というか単に忘れたりしてただけだが。

配信が始まって少し経ってからこの本を手に入れた。
chouchou

写真集と銘打ってるし確かに特写も豊富だけど、どっちかというとムック。宇宙船別冊なのでクオリティは保証済み。
番組終了後の発行ということで卒業アルバム的な色合いが濃くて、関係者の終了を惜しむ気持ちが伝わってくる。
主要スタッフ・キャストが一言ずつ寄せているが、浦沢義雄のいいかげん極まるコメントはいいとして、荒木くんのコメントが少し不可解。役柄に不満でもあったのかと勘ぐりたくなる。他の2人がまともなだけ余計に。

12年ごとに復活して欲しいと真剣に思う。期待しないで期待してます。

江藤淳「夏目漱石」

先入観から読まずにいた本をようやく読む。漱石論としては古典か。

引き込まれたし面白かったのだが、著者の漱石門下生や先行研究への敵意が強すぎやしないかと感じるところもある。
ただ、漱石といえば則天去私の作家という論調を覆すことが目的の一つだったのだろうし、なにより自分は小宮豊隆をはじめとする漱石門下生による漱石論を読んでいないので、本書だけ読んでどうこう言うのも片手落ちかなとは思う。
でも自分が門下生達の文章を読む気にならないのは、いかにも文壇な閉鎖性と、故人を過度に美化してそうな雰囲気を感じるからなので、筆者の指摘にあまり抵抗も感じない。

個人的に漱石について一番不思議なのは、則天去私なんかじゃなく、あれだけの人間嫌いがどうしてあそこまでの生活力を持ち得たかということである。あんなに鋭敏な神経を持っていたら普通耐えられないと思う。発狂も自殺も“しなかった”のか“叶わなかった”のか知らないが、とにかく人間嫌いが真っ正面から人間に向かい合って生きた。どうやったらあんな闘い方が出来るのか、知りたい。

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「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第39・40話

第39話「愛しのナルシス仮面」
またしても恋する月子が主役だが、唯一の鹿島とも子脚本なので若干毛色は違う。
ナルシス仮面はトレンディドラマ臭を漂わせる気障なキャラ。ぜひとも斉木しげるに演ってほしかった。嵌まりそう。
荒木くんはオネエっぽい衣装で珍しくおいしく弄られてると思ったら、Bパートに入ると他の2人も衣装替えしてきたのでまたもや食われた感アリ。
ナルシス仮面の最後はちょっと唐突。
ここんとこママの出番がないのが寂しい。

第40話「ウルトラマンに逢いたい」
制作順はラストなので不思議コメディシリーズの実質最終回でもある。
ある意味で一番有名なエピソード。これだけ強烈な回なのに記憶がないので、リアルタイムでは観ていなかったんだろう。もったいない。

開幕早々、花子の月子に対する強烈な一言「ただのオタクだったんだ」。惜しげもなくオープニングから登場するバルタン星人。
やっぱりラーメンを食べるブースカ。アトラク用とはいえ声は高橋和枝さんで、主題歌までかかるサービスぶり。かわいいなぁ。
ブースカに限らず怪獣の鳴き声やSEもオリジナルに忠実だったのは嬉しい誤算。
セリフ多めで(「宇宙船」によれば)大喜びの一夫社長。怪獣倉庫に向かう足取りがガチガチ。ラスト近くでは赤いジャンパーがまるでスタンド店員で笑う。
黒部さん演じる怪獣おじさんは円谷プロのみならず子供番組制作者の良心を体現していて、その背後に円谷英二監督や高山良策さんらの姿も見えてしまうのは考え過ぎか。
ブースカと一緒に消える怪獣おじさんの姿が、余韻を残して素晴らしいエピソードだ。

舞台となる円谷プロ社屋も、怪獣倉庫も、今はもう無い。本作や「私が愛したウルトラセブン」を観ると、一度でいいから取り壊し前の円谷プロを訪れてみたかったと切なくなる。
夢見る力を与えてくれた人々に感謝を。

chouchoutrian4

「有言実行三姉妹シュシュトリアン」第37・38話

第37話「恐竜の卵」
確かに93年の恐竜ブームは凄かったなぁ…と思い出させてくれる。当時持っていた絵本の表紙が映って懐かしかった。
ただ個人的にETおばさんの回とは相性が悪いようで、終盤は退屈。準備体操してから試合終了までほぼセリフがないのがシュール。

第38話「チーズになった月」
蛍さん大学生は無理あるだろうと思っていたらそういうわけだったのか。またしても変なのに惚れられる月子姉ちゃんだが、相手と微妙に波長が合っちゃうからいけないんだろうな。
全編通してやけにテンションの高い芝居。

浦沢脚本だからシュールとかそういう話じゃなくて、番組のフォーマット自体を壊そうとしているような印象。終盤戦。

chouchoutrian4