ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX…?

講談社から〈ゴジラ全映画DVDコレクターズBOX〉とかいうものが出るらしい。

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分冊百科は場所をとるし、大概は内容も薄いので興味が無い。
このシリーズは、本当に創刊号みたいな付録が続くならちょっと魅力的だなとは思う。ただ、講談社から出てるウルトラ関連の復刻本や記事再録本の評判を見てると少し不安にもなる。
作品チョイスの基準も中途半端な気がするので、どうせなら普通に〈東宝特撮映画〉って括りでよかったのに。そうするとデアゴの先行商品と被るからしょうがないのか。

東宝特撮のDVDは全然持っていない。54年の『ゴジラ』(01年のジュエルケース版)だけは出てすぐに買ったし、はじめのうちは好きな作品は少しずつ集めるつもりだった。
でもそのうち名画座通いにハマってしまって、映画は映画館で観ればいいと思うようになった。どれだけ画質が良かったって、ディスプレイで観てもしょうがない。(家で『2001年宇宙の旅』を観ることにいったいなんの意味がありましょう)

大体、よっぽど珍しい作品でもない限り、何年かに一度は特集上映があるし。ソフトは買っちゃうと観ないもんだし、所有欲はあるほうだったけど映像ソフトはすぐに次世代規格が出るので、いちいち追っかけるのもバカバカしくなった。本当に好きな作品だけはブルーレイを買ってもいいかなと思う。そんな感じ。

そんな感じなので、2、3冊買って様子を見てみるのは悪くないかもしれない。
昔なら楽しめたのに、同一マスターの作品を何度も買うのは金の無駄としか思えなくなった。

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みうらじゅん&いとうせいこう「ザ・スライドショー13 みうらさん、体育館かよ!」

念願の、です。

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神々しいツッコミ如来像と「いとうせいこうフェス」のポスター。

スライドショーには苦い経験があります。2001年の武道館公演(「7」)チケットが先行予約で取れたのに、一人で行くのが億劫になって売ってしまったのです。15年前ったって15歳なんだから、一人で行くくらいなんでもないだろうと今なら思えます。ただ当時は今以上に人混みがダメだったので、どうしようもなかったのです。本当に悔しかった。

だから今回は15年越しに、ようやく念願が叶ったようなものです。
しかもアリーナの良席で観られるなんて!チケットが取れてから本当にこれだけを楽しみに生きてきた。

それこそまさに、語義通りに「あっという間」の2時間。なんとなく終電間際までやってるようなイメージを勝手に作ってたので、あまりの時間の速さに呆然としました。
これからWOWOWで観る方もいるでしょうし、スライドネタについては書きません。
とにかく最高でした。笑い過ぎてノドと肺が痛くなりました。

時事ネタはひたすら避けて避けて核心を突かないように進行するのがスライドショーの決まりですが、時期が時期だけに、ある1枚のスライドに対するツッコミでMJとSIの兄貴が「いま」を語っているような気もしました。
それは入場時にもらえた『スラスポ』も同じです。考えすぎだとは思いますが。

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『スラスポ』はいやげものとは別で、今回のいやげものはカメオブローチでした。相変わらず使えなくて素晴らしい。
その他、物販で買った扇子やミニトート、マスキングテープなど。きんちゃく袋も買えばよかった。

贅沢を言えば以前みたいに年1回開催してほしい。ネタの質を落としたくないんだろうけど、最近はみうらさん自身がネタになってるような感もあるので心配いらないような。

中川信夫「東海道四谷怪談」@神保町シアター

神保町シアターで天地茂特集。
でも天地茂どうこうじゃなくてずっと観たかった『東海道四谷怪談』。デジタル上映とはいえ嬉しい。

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(それにしてもチープなポスター…)

新東宝って先入観があるからセットもチープに見える。そこを逆手にとっているような画面作りが面白い。
オリジナルが歌舞伎なのもあるんだろう。

お岩さんが薬をゆっくり飲むシーンが痛々しくて痛々しくて見ていられない…と思っていると途端にカメラが傾く。そして花火。凄い演出だと思った。
お岩さんが所謂お岩さんになって、伊右衛門をどんどん追い詰めていく終盤も、怖いことは怖い(すごく)。
でもどこか幻想的。

しかし伊右衛門さん、最後の最後、断末魔になって「許してくれ」なんて言われてもあんまり同情できないよ。やっぱり身勝手すぎないかい。

面白かった。それこそお盆あたりにオールナイトで観てみたい。

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手作りの天地茂がいるのかと思ったらまだゴジラがいた。

大滝詠一「DEBUT AGAIN」(Limited Vinyl Edition)

大滝さんの『DEBUT AGAIN』は、繰り返し何度も聴く曲と、2〜3回聴けばいい曲との差が激しい。
正直言って第3期(?)ナイアガラにはあんまり興味がないし、さくらももこ嫌いだし。

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それでも帯と裏ジャケに負けて、入荷日にアナログ盤も買った。この帯は卑怯だと思う。

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そして裏ジャケ。

もっと嬉しかったのがインナースリーブ。『EACH TIME』のインナースリーブに人生を狂わされた身としては、これだけでも買って良かったと思ったりする。
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片面だけなのが寂しいけど(片面はレーベルロゴ)、これもまた聴く時間より眺める時間のほうが長くなりそう。

小田基義「ゴジラの逆襲」@神保町シアター

体調良くないのに神保町シアターへ。

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逆襲ゴジラもアンギラスも着ぐるみの造型は好き。好きなシーンもそれなりにある。
特に大阪に上陸したゴジラとアンギラスへの砲撃シーンは、後年のように着ぐるみに弾着を付けるんじゃなく合成で表現しているので、スケール感が出ている。

でもどうしても盛り上がりに欠ける一本で、スクリーンで観てもその印象は変わらなかった。

志村喬は役が役だからやりようが無かったんだろうし、千秋実もただ出てるだけな感じ(本人もやる気なさそう)。そしてヒロインの魅力も薄い。
小田基義の演出は本多演出以外の同時代の邦画と比べても、垢抜けないというか、古臭く感じられる。
ラストも好みの問題だろうけど、ああいう男臭い友情は好きじゃないのでピンと来ない(まして千秋実のキャラが立ってないので)。

ただ、佐藤勝の音楽が攻めてて、そこは好印象だった。音楽を抜くところはかなり大胆に抜いてて、バスクラで作ったアンギラスの鳴き声が耳に残る。

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夏だねぇ…。

本多猪四郎「モスラ対ゴジラ」@神保町シアター

初めて観たゴジラは『モスゴジ』。『VSモスラ』公開前にWOWOWで無料放送されたとき。
当然ビデオに録って何回も観たし、後々LDも買った。
なのに印象が薄い。スクリーンで観るのは初めて。

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あらためて観ると、細かいところまで本当に良く出来た映画だった。
昔は映画が進むに従ってこぢんまりしていくような印象があったけどそんなこともない。

それでも『キンゴジ』よりスケールダウンした感は否めない。ただ本多監督は前作のコメディタッチが不本意だったらしく、その反省が全編に緊張感をもたらしている。
〈人と人との相互信頼〉がテーマだから、人間の汚ない部分はあくまでも汚なく描く。演じるのは佐原健二と田島義文だし、大映みたいにドス黒くはならないけど、それでも本多演出には珍しく流血を伴う直接的な暴力描写もある。

この映画で唯一残念だと思うのは、セット丸出しのインファント島の岩場。かつて原水爆の実験場にされた悲惨さがイマイチ伝わってこない。
見渡す限り草一本無い荒れ地を、人や動物の白骨が埋め尽くしているようなショットが一つでも欲しかった。それでこそ島民の人間不信や聖なる泉の重さが説得力を持つ。
たとえ予算が無くてもこの場面は粘るべきだったように思う。

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(今日のゴジラはディスクユニオン帰り!)

特撮は凄い。冒頭の排水ポンプやモスラの卵に向かって進む漁船は、『海底軍艦』で海中に飛び込むタクシーに続いて、“特撮だと思わせない特撮”の到達点だと勝手に思う。

ゴジラ出現シーン、オプチカルプリンターを駆使した四日市〜名古屋蹂躙シーン、特車隊の攻撃シーンも、セットから編集まですべて完璧。
成虫モスラとの対決シーンは、操演の凄さはもちろん、円谷英二の編集技術の集大成だ。
カメラスピードを変えたカットを組み合わせるのは当たり前で、短いショットをループ状に(?)再生と逆再生を繰り返して使うことまでしている。放射能を頭部に受けたモスラの動きは昆虫そのものだ。
本来なら戦いようがない二体の見事な戦いぶり。

たぶんこの作品あたりで、円谷さん(本多さんも)としてはゴジラで出来ることはやり尽くした感があったはず。次作で複数の怪獣が絡むのを最後に、ゴジラ映画から新基軸は無くなる。だからこそ円谷さんは前年にはもう円谷プロを作っているし、本多監督の本領もゴジラ以外の作品で発揮されるようになっていく。

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本多・円谷コンビのいくつかの到達点のひとつとして挙げられるのは、『キンゴジ』ではなくて意外とこっちかもしれないと思った。ある意味では最後のゴジラかもしれない。

是枝裕和「海よりもまだ深く」@丸の内ピカデリー

映画の日。有楽町へ。

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タイトルの由来なんかも含めて、『歩いても 歩いても』の変奏のような映画だ。主人公の名前も同じ、ほぼ一日だけを舞台にしているのも同じ、家庭内に死者が大きな影を落としているのも同じ。二作とも監督の個人的な経験に依るところが大きいんだと思う。

そうはいっても二番煎じではない。というか、実際に自分や家族のことを重ね合わせて観てしまったぶん、『海よりもまだ深く』のほうが思いっきり刺さってくる。「なりたい大人に簡単になれるなんて思うなよ」って阿部ちゃんのセリフが共感できるし重いし。
監督の言葉通り、観た後の余韻が成瀬っぽい。

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もちろんめちゃくちゃ重い映画ってわけでもない。場内に共感を含んだ笑いが何度も起こって(これも『歩いても』と同じ)、映画館で観て良かったと思える。

今回も寺島進さんが欠席なのが寂しいが、聡美さんと樹木希林の母娘は本当に絶品だ。おかげで阿部ちゃんのダメ男ぶりも一層際立つ。
ただ、是枝作品にしては音楽が印象に残らなかったのが残念。ハナレグミも嫌いじゃないけど、ちょっと弱い。

でもやっぱり傑作。たぶんあと二回ぐらい観る。