松沢呉一「エロスの原風景 江戸時代〜昭和50年代後半のエロ出版史」

松沢呉一さんの『エロスの原風景』。手に入れたのはだいぶ前。もったいなくて少しずつ読んでいた。

ビジュアルメインのようでいて、時代風俗や印刷史にも突っ込んだ文章が面白くて、一気に読みたくなる。
あと4倍ぐらいのボリュームが欲しい。そうすれば一気に読んでただろう。

70~80年代のビニ本やスカトロ本は一見して下品で生臭そうなのに、それ以前のものになるとカストリ雑誌ですらレトロでポップに感じられるのが不思議。

特に大正~戦前に発行されたものは、エログロナンセンスが爆発していて、特別な魅力がある。それが浅薄なモダニズムだとしても、好きだ。

消えゆく紙媒体を扱う本だからして、装丁や文字組みも凝っている。
所有する悦びを充たしてくれる一冊で、しつこいけど量的に物足りない。
松沢さんの文章はWeb媒体で読めるとしても、エロ本ネタは紙媒体で続けてほしかった。

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