山口俊雄「石川淳『マルスの歌』論 -銃後総動員体制下の思想と自然-」

作品を読んだだけではわからないことはやっぱりある。それが当たり前。

やっぱり作品研究を読むのは面白いなと。(できることなら立教の旧図書館で読みたい)
帯子っていう名前は何か含むところがあると思ってたけどようやくそれが判ったり。

とりあえずアランの『裁かれた戦争』は注文した。

石川淳「天馬賦」

「天馬賦」は大昔、人に薦められて途中まで読んだ。
そのときは人物の台詞回しの不自然さが嫌になって放り投げた。
若者風俗を取り込もうとして失敗してると思ってしまったからで、それが石川淳の文体だとは知らなかった。
(石川淳にしても、そういう失敗やズレがないとは思わないが)

で、十数年後の再読。
やっぱり学生の言葉に違和感はあるが、全共闘世代の学生は本当にあんな感じのナンセンスな言葉遣いだったことも今では知ってるし、そこは本筋じゃない。

『白頭吟』の主人公が老いたような大岳老人、つまりほとんど作者の分身といっていい人物が語る革命論に痺れる。
それを鼻で嗤う若い世代を描いてしまうのが石川淳の石川淳たる所以なのだろうが、たとえばここに描かれてるオギやイヅミ達の言動には虚しさしか感じない。

だから大岳が自分の目を刺すラストも、大岳の精神の激しさに打たれるのであって、その引き金になったイヅミ達に対しては特に感じるところもない。
イヅミ達に大岳ほど強靭な精神があるとは思えないから。全共闘世代の皆さんへの偏見だろうか。
たぶん作品の魅力が一段落ちるのはそのせいだろう。

Benny Golson「Just Jazz! – The Complete Triple Play Stereo Sessions」

ジャケ買い。

ジャケットのメンツが『ブルースの真実』並みに凄まじいわりに、全く聞いたこともないタイトルなのでなんだろうと思った。
ただの企画盤だった。いやこれはこれでイノック・ライトみたいで面白いけども。
ジャケもそんな感じ。


左にポップス、右にジャズ、ステレオで聴くとスウィング。
思い付いてもやらないだろ、ってのを本当に作っちゃうところがステレオ黎明期の楽しさ。

実際に聴いたところで大して面白くもないけど、こういうのは好き。
いっそアナログ盤で欲しい。でも探すほどじゃない。