星野概念×いとうせいこう「ラブという薬」

感想は発酵させたいので書かない。

でもいい本だったことだけは書いておかなくちゃ、と思う。
生きにくさや社会的包摂を考える上でいろいろと示唆を得られる。
良い薬です。

伊丹十三「マルサの女2」

『1』の記憶が鮮明なうちに、観たことのなかった『2』を。どうせスクリーンでは観られなそうだからDVDで。

前作では勧善懲悪とまではいかなくても、まだ敵と味方がはっきり分かれていたが、今回はそのへんが曖昧。
宮本信子と三國連太郎の仕草が似てたり、ヤクザの話にマルサも笑っちゃったり、両者がまったくの別物じゃないことを露骨に匂わせる演出も多い。

悪事を働く連中をマルサが摘発する、ような単純な構図ではなくて、日本の権力構造とか庶民感覚をまるごと撃つ感じ。
おかげで『悪い奴ほどよく眠る』みたいなエンディングに爽快感はないが、〈日本人はムラだ〉と思いっきり言ってみせたり、個人的にはスッキリした。
(前作でも冒頭の惣菜屋かなんかのシーンで庶民の狡猾さをサラッと描いてたが)

でも出演者の顔触れもあって、やっぱり前作のほうが好き。三國連太郎より山崎努。丹波哲郎より小林桂樹。

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マイケル・リンゼイ=ホッグ「レット・イット・ビー」

00年頃からビートルズを聴き始めたので、『Let It Be』は常に〈そのうちDVDになるもの〉だった。
『Naked』は出るし、DVD版アンソロジーに鮮明な映像は入ってるし。ヘタにブートなんかに手を出すと損しそう。
で、そのままいっこうにソフト化されないまま18年。


いちおうはビートルズの映画なんだから、初見はきちんとした形で観たい、と思って我慢してきたものの。
最近はブートDVDなんかタダみたいなもんだし、ネット上にいくらでもアップされてるし。
もともと16mmフィルムだからリストアされても限度がありそうだし。
ということで風邪の暇潰しに観てみた。

あー、これはメンバーの許諾とかアップルとアブコの権利関係がどうとかじゃなく、つまんないからソフト化されないんだなと。
そう思わざるを得ない程つまらなかった。映画としてもダメ、ドキュメンタリーとしてもダメ。
こんなものを商品化するために金を投じるほど、アップルもバカじゃないだろう。

ヘザーとビリーがいないと何も出来ない男たち。
「Octopus’s Garden」を弾いてるとマーティンが来るシーンと、ヘザーがいるシーンだけは好きなので、たまにYouTubeで観るかもしれない。その程度。

口直しに『Magical Mystery Tour』を観よう。

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フランソワ・トリュフォー「アントワーヌとコレット」「夜霧の恋人たち」@早稲田松竹

『アントワーヌとコレット』は好きだ。
オムニバス中の1本だから20分ぐらいでサクッと観られるし。


アントワーヌがフィリップスに勤めてるのがいい。ほんの少しでも当時のレコード会社の様子が判る。
というか、本当にあんな手作業で一枚一枚プレスしてたんだろうか。あのプレス機なら家庭用のものも作れそうだ。

アパルトマンでレコードを大音量で鳴らして喜怒哀楽はっきり表すシーンもいいが、アントワーヌがいかにもアントワーヌらしい表情を見せるシーンが好き。
世界の何事にも興味が無さそうな、でもたまにセックスしたい、みたいなあの顔。
カッコイイ。


『夜霧の恋人たち』ももちろん好き。
シネマブルースタジオとは違って、客席から笑い声が起こる。
どの映画館で“出会う”か、は大きいとつくづく思う。

フランソワ・トリュフォー「大人は判ってくれない」@早稲田松竹

早稲田松竹。いつもの席。落ち着く。


アントワーヌものでは『アントワーヌとコレット』『夜霧の恋人たち』のほうが好きで、本作はそんなに見返す機会がない。

ジャン=ピエール・レオーは巧いんだと思う。イラッと来ないだけで子役は巧いのだ。
でもなんか入り込めない。分析するのも面倒だし、相性の問題ってことにしてる。

高校時代に初めて観たときは、救いのない展開なのに音楽は可愛らしくて爽やかなのが不思議だった。いま観るとそこがいいんだなと思う。ヌーベルヴァーグだから、で済ますのも雑な分析だが、でもそんな感じ。観客や批評家に喧嘩売ってるような感じ。

突き放すようなラストも、あらためて観るとこっちが突き放されるようだった。