DVD「逮捕しちゃうぞ Vol.7」

FILE.40「危険なデート2×3」
特になし。

FILE.41「廻れ! 炎の回転灯 (前編)」
FILE.42「廻れ! 炎の回転灯 (後編)」
ハードなのはいいが、ハードに行くなら犯人側の心理とか市民感情をもっと抉って欲しかった。
重くなりすぎるくらいに。

FILE.43「墨東署スキャンダル」
特になし。

FILE.44「墨東百物語」
なんか構成が破綻してるような。

FILE.45「夏の日…夕暮れのふたり」
夏の情景が二人の心理をうまく描いた一篇。
好きだなこういうの。

追悼 モンキー・パンチ先生

訃報が続く。白石冬美さんに続いてモンキー・パンチ先生が逝ってしまった。

たぶんほとんどの人がそうであるように、自分も『ルパン三世』はアニメが初体験だった。
なので、初めて原作を読んだときは戸惑った。全く別物だったから。


(中公文庫版で集めました)

線が多い独特の絵で、ストーリーも故意にぼかしてあるような印象があって、正直に云えばとっつきにくかった。
ところが気がつくと独特の間や描線がクセになっていて、チマチマ集めていった。

自分にとってのルパンはどうしても大隅ルパンになってしまうけど、それもあの原作があればこそだ。
原作者と演出家の幸福な出会い、その最たるものだと思う。

もうひとつ、モンキー先生といえば『電画なっ!』を思い出す。
2000~01年頃放送していた、伊集院が司会のCGを紹介する深夜番組で、モンキー先生は松本零士先生と共によくコメンテーターとして出演していた。
正直いって投稿されるCG作品はどうでもよくて、伊集院とコメンテーターのトークが大好きだった。

その後、モンキー先生自身もCGを学ばれていたはず。(大隅監督も一緒だったような……うろ覚え)
カッコイイオヤジだなーと思った記憶がある。

作品は数多あれど、やっぱりルパンという希代の名キャラクターを生んでくれたことへの感謝が一番大きい。

ありがとうございました。

細野晴臣「HOCHONO HOUSE」

最初にアルバムの内容を耳にしたときには、なんだか後ろ向きな企画に思えてしまった『HOCHONO HOUSE』。
実際に聴けばもちろんそんなことはなく、いいアルバムだ。


↑でもジャケットは微妙。
アナログをhmvで買ったのだが、梱包がまずくてジャケ右上が少し潰れてた(悲)

いかにも宅録らしい一発録りや、70年代のライブ、インストに生まれ変わったあの曲まで。
単純な新録ではなく、過去の音源も使われていたりして面白い。
もともと名曲揃いだし、どんなアレンジになろうと曲の良さが損なわれることはない。

レコーディングは難産だったみたいだが、いつも通りセルフライナーノーツも示唆、というか個人的には謎かけに満ちている。
〈最近の音楽はデザインに近い〉とか、ここ数年で〈音楽のアルゴリズム〉が大きく変化したとか。
細野さんはどれくらい先を歩いているんだろう。

細野晴臣「HOCHONO HOUSE」 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: 細野晴臣 タグ

「別冊映画秘宝 昭和メカゴジラ鋼鉄図鑑」

メカゴジラはもちろん昭和版が一番カッコイイと思う。
でも本を買うほど愛してるわけでもないしなーと、結構迷った。でもこれは買って正解。
「特撮秘宝 Vol.8」の消化不良を見事に解消してくれた、狂気と執念の一冊。

図版の量がすごいので眺めているだけでも楽しいが、インタビュー類も豊富。
特に睦五朗さんのインタビュー、岸田森さんの最期に関するくだりは必読。
そしてスタッフの多くが記憶している、川北紘一助監督のメカゴジラへの情熱。
もうホントにメカ好きだったんだなーと。

『対メカゴジラ』『メカゴジラの逆襲』を観たくて堪らなくなった。
オールナイトでもいいから、どこかで上映してくれないかな。

「エンターテインメントアーカイブ 怪奇大作戦」

エンターテインメントアーカイブシリーズを買うのは初めて。
値段に少し躊躇したが、『怪奇』のムックなんてそうそう出るもんでもないので購入。
紙質も印刷もいいし、数十年前のファンコレと価格を比較しても仕方ない。

エピソードによって写真点数にバラツキがあるし、1枚も載ってないエピソードすらある(京都篇も)が、それは作品の性質(内容、時期)を考えると仕方ないと思う。
むしろこれだけのスチールが50年も残っていたことに驚くべきなのかも。

ただ、「狂鬼人間」のスチールは、少なくとも日本刀を構えた大村千吉のシーンだけでも何枚か残ってるはずだし、「ゆきおんな」もゆきおんな役の女優さんのアップを撮影してるスナップを見たことがあるので、探せばまだあるんじゃないかと思わなくもない。

併録の『戦え!マイティジャック』はページ数合わせだろうが、作品自体に思い入れがないので特に不満もない。
ただ個人的には、『恐怖劇場アンバランス』のほうが、内容的にも話数的にもちょうど良かったんじゃないかと思う。『アンバランス』だと出演者が豪華すぎて余計値段が上がってしまうか。

そんな感じで、本の内容にはそれほど不満もないが、誤植の多さだけはどうにかしてほしかった。
明らかに校正ミスな箇所が気になる。そこだけが残念。

「怪奇大作戦 / セカンドファイル / ミステリー・ファイル オリジナル・サウンドトラック」

正直に言ってしまえば、リメイク版2作品には興味が無いので、オリジナルだけの2枚組ならお値段ももっと手頃だったろうに、とは思う。
とはいえ、CINEMA-KANなので内容に間違いはない。

ライナーノーツ含めて、所有欲を満たしてくれる丁寧な仕事だ。
音質も、ミュージックファイルより音圧が上がった上に解像度が上がったような印象。
1トラックに複数の楽曲が収録されてるのはミュージックファイルと同じでちょっと残念だが、短いブリッジ曲が多いから仕方ないのかもしれない。
「吸血地獄」からのME抜粋1曲目に収録されてる曲(極端に高音域に楽器が固まった曲)はマスターテープが発見されることを期待してたのだが、やっぱり無理だったようだ。どこかに眠っていてくれないかな。

地味に嬉しいのが、ディスク2最後に収録された「モーツァルトの魔笛の主題による変奏曲」。
『怪奇大作戦』後半は、追加レコーディングされた音楽の6ミリテープも紛失してるそうだし、スチールもほとんど現存していない。
(おそらくもうスチールマンが現場に来ることも少なかったんだろう)
「『怪奇大作戦』の挑戦」によれば、円谷英二は番組途中から試写の感想を日記に記さなくなる。
2クールで終了が決定している番組など、監修者として一応チェックはするものの、もはや関心が持てなかったのだろう。
成田亨や金城哲夫が次々と退社し、テレビ局からの発注も途絶えた円谷プロには冬の時代が到来する。

「魔笛の主題による変奏曲」は、そんな円谷プロへのレクイエムのように響いてくる。
実相寺監督が当時のプロに集まった人達を懐かしんでいるような、そんな錯覚にまで襲われる。

井戸まさえ「無戸籍の日本人」

この本は去年の頭、出版されてすぐに読み始めていたんだけど、読み進めるのが辛くて中断していた本。
『万引き家族』を観終わって、このタイミングで読まなきゃいけない、そんな気に駆られて読了。

様々な事情で戸籍を持てずに生活することを余儀なくされている人々を、元当事者で現在は支援団体を運営している著者が書いた、無戸籍についてのノンフィクション。
いろんな事例が載ってるが、とりあえず一番大きな問題は民法の古さだと思う。
772条の問題(離婚後300日問題)なんか絵に描いたような男尊女卑。右寄りの連中が改正に消極的なのも納得。

著者は、悪意を持った誰かではなく、普通の人々が〈善意の加害者〉として振舞ってしまうことの弊害を強く説いている。
誰もが無意識のうちに抱えている偏見。悪意を持とうとして悪意を持っている人間より余程厄介な代物。
ないこと、いないことにされていた問題を〈可視化〉していく活動の大切さと困難さがよくわかる。

巻末の著者と是枝監督の対談はページ数もあっさりしたものだが、本書が『万引き家族』にいろいろと示唆を与えていることがわかる。