上原正三さんの訃報

上原正三さんが亡くなられたそうだ。

作家としての上原さんのキャリアをみれば、東映作品を手掛けていた時代のほうが円谷プロ時代より長く、作品数も圧倒的に多い。
それでも自分にとって上原さんは円谷プロの作家だし、代表作も『帰ってきたウルトラマン』までに集中しているように思う。

傑作は数多ある。でも結局、自分にとっての上原作品といえば、『怪奇大作戦』の「かまいたち」だ。
極端な話、もし他の25本がすべて駄作だったとしても、この一本があるだけで、『怪奇大作戦』は古典になり得た。

自分は「かまいたち」の犯人・小野松夫を見て救われた。
真面目で、大人しくて、いたちのようなおどおどした目をした男。
社会に馴染めず、どこか鬱屈したものを抱えている青年。
その後、小説や映画に接していくなかで、それこそカミュの『異邦人』はもちろん、自分を代弁してくれるような作品に出会うことも増えたが、「かまいたち」はそういった類の体験としてはごく初期のものだ。

小野松夫という人間を描いてくれたことに心から感謝しつつ、今日も仕事に向かう憂鬱な電車のなかから、ご冥福をお祈り致します。
本当にありがとうございました。

RIP. Anna Karina


海外の女優さんはほとんどわからないが、アンナ・カリーナは大好きな一人だった。
ゴダールとの一連の作品は永遠です。
安らかに。

石川淳「虚構について」 – 雑感

疲れた。

たれでも承知してゐる通り、ある藝術作品がどんなによいかといふことを、それにふれたことのない他人にことばで傳へることはむつかしい。(略)
しかし、ありやうは、ある藝術作品から受けた感動を再現するとは、そんな傳達とか限界とかに氣をつかつて、該作品のまはりをうろうろすることではない。逆に、そんな程度の振幅にとどまる感動しかあたへないやうな作品ならば、そもそも大したしろものではなかつたといへる。

石川淳「虚構について」より。至言だ。

ブログのためにグチャグチャと言葉を捏ねくりまわしていると、あらためて作品の感想を言葉にするのは難しいと感じる。
簡単に言葉に出来ないからこそ、面白いし何回も鑑賞したくなるのであって、言葉にすればするほど作品の印象が全部ウソになっていくようで空しくなってきた。

だいたいブログなんて後で読み返すために書いてるようなもんなんだから、そもそも書く必要が無い。
鑑賞日と簡単な印象だけメモしとけば充分だ。
もう嘘を書くのはやめよう。

祝JOC会長の竹田起訴

いちおう新年一発目だから、めでたいネタはないかと探していたら、こんなにおめでたいネタが飛び込んできた。

JOCの竹田会長が贈賄で起訴。めでたい。
国内ではろくすっぽ報道されてないが、ニッポンの皆さんには報道してあげても意味がわからないだろう。

電通や安倍周辺にもきちんと捜査が及んで、オリンピックが中止になりますように。
いや、中止じゃつまらないな。
世界中からバカにされボイコットされますように(^^)

祝JOC会長の竹田起訴 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: 日記 タグ ,

最後のジャニス

ジャニス本店の最終営業日。
やっぱり来てしまった。


いい天気。


↑整理券。


棚はさすがにスカスカだった。それでもこの豊作ぶり。


『直島ミュージックスタジオ作品集』が300円で買えるとは思わなんだ。

もう返却日を気にする必要もないので、ゆっくりちょっとずつ聴こうと思う。

ありがとう、ジャニス。
13年間お世話になりました。
たまにジャニス2を覗くからね。

ジャニス本店の閉店

正直なことを言うと、去年、本店が元ジャニス2の場所に移転したとき、その縮小された店舗を見て、「あとどれくらいもつかな」と思った。

金券バックやら宅配返却やら、サービスが充実しすぎてて、「これでやっていけるのか?」と不安に思ったことはそれまでにも何度かあった。
でも、あれだけ豊富な商品があれば簡単には潰れないだろうと思ってた。

それが、移転を機に商品数が激減(少なくとも自分にはそう思えた)。
「ちょっとマズくないか…」と不安な気持ちになった。
で、悪い予感は的中してしまい、今年の11月いっぱいで本店が閉店。
2号店は営業を続けるそうだが、寂しい。
ただでさえ神保町界隈はお店の移り変わりが激しいのに。


(↑これは9F時代の写真。宅録で作ったアルバムも置いてもらいました)

恥を晒すようだが、(1度目の)大学受験の際、水道橋にある某大学を選んだのは、「ジャニスに近いから」だった。
なにがきっかけでお店のことを知ったのかはもう覚えてないが、とにかく高校の頃から、尋常じゃない在庫数を揃えた上にレア盤も普通にレンタルしているというジャニスは憧れだった。
だから、大学に入学してからは、それこそ30枚40枚単位で借りに借りまくった。
(その頃は今の神保町シアターの向かいあたりに3号店もあったなぁ)

いまのiTunesの中身は半分以上ジャニスで借りたCDだと思う。
たぶん、自分の耳を半分ぐらい作ってくれたのはジャニスだと思う。

10月いっぱいの最後のレンタル期間には行けなかったので、せめてものお礼のつもりで閉店セールに行ってきた。
最初は正月レンタルのノリで、未聴のエレクトロニカやアンビエントを買いまくるつもりだったが、それこそキリがなくなってしまうので、〈ジャニスで借りてハマったアルバム〉に絞ってみた。


結果的にベタなものばかり買ってしまったが、ブルース・ハークやフェランテ&タイシャーが「ベタ」で済んでしまうところがジャニスの凄さだろう。


思い切って『風街図鑑』も買った。中古品は巷に溢れてても、ジャニスのシールが貼られたブツはこの世に一つしかない。



棚を思い出すのに必要だから、コーナーのシールは剥がさない。これ込みで価値がある。

とにかくありがとう、ジャニス。
…でもまだ買い足りない。あと2回ぐらいは覗いてしまいそうな予感。

エスニカンをめぐる冒険

冒険なんかしていない。コンビニで復刻版エスニカンを見て懐かしくなっただけだ。
懐かしくなったといっても、エスニカン発売当時は0歳だったので、エスニカンが懐かしいわけでもない。
オカシ屋ケン太こと泉麻人さんの『おやつストーリー』を思い出したのだ。
エスニカン、聞き覚えがある…あ、あの本だ。


『オリーブ』に連載されていた長寿コラムをまとめた一冊。
手軽に読める、どうってことのない一冊だが、個人的な思い入れがいろいろある、大切な一冊でもある。


エスニカンは、「ウマイけどエスニカンというよりメキシカン」で、「カラムーチョ」と大して変わらない、という評価。
それでも当時こういう切り口のポテチが珍しかったことは窺える。


だいぶ前に書いた文春文庫ビジュアル版のB級グルメシリーズの一冊、『世紀末大東京遊覧』にも、身近なものになり始めたエスニック料理が取り上げられている。このシリーズは何度読んでも愉しい。

今なら本格的なエスニック風味のポテチも作れるだろう。個人的には苦手なので期待もしない。