「巨人の村」とジャック・ニッチェ

本棚を整理するついでに、ムック時代の映画秘宝『あなたの知らない怪獣㊙︎大百科』を引っ張り出してパラパラ読んでいた。
出版から22年経ってるが全然古くなってないのは流石。

買った頃(20年前)と違うのは、取り上げられているほとんどの作品がYouTubeなりソフトなりで視聴可能なこと。
実際観てみると紹介文以上に酷くて、「こんなもんを観たいと心踊らせていたのか、あの頃の俺は」とあらためて虚しくなることも多々あり。

ただ、中には意外な発見をすることもあって、『巨人の村』(1965)もそんな一本。
説明するまでもなく、Mr.BIGことバート・I・ゴードンの映画の中でも『恐竜王』と同程度かそれ以下のZ級映画。


本編は途中で寝てしまった。全編観たところで変わらないと思うのでどーでもいい。
ただ、予告編でも解るようにBeau Brummelsが「When It Comes To Your Love」を演奏するシーンがある。

それ以上に驚いたのが、本作のテーマ曲をJack Nitzscheが手がけてること。
このテーマ曲「The Last Race」がカッコイイ。ベースリフがクールだ。


タランティーノが『デス・プルーフ』に使ってたり、自分が知らなかっただけでその界隈では有名な曲らしい。

60年代のティーン向けB級映画にはゴーゴーが出てくることが多くて、本編はダメでも妙に曲が耳に残ってしまうこともたまにある。
『The Creeping Terror』(1964)なんかもいい例だ。
時間を無駄にしたはずなのに、なんとなく得した気になってしまう。
だからだめなんだ。

Daniel Schmidt and the Berkley Gamelan「In My Arms, Many Flowers」

アンビエントやドローンをメインに扱うレコード屋さんのレビューで存在を知って、気になったときには1stプレスはどこでも完売。
いつの間にか出てた2ndプレスもどんどん売り切れていくところを、滑り込みセーフでなんとか購入。

inmyarms

70年代ぐらいから活動している人らしく、内容も古いカセット音源のもの(音質は良い)。
単独名義のアルバムは初めてらしいが、少しずつでもアーカイブからリリースして欲しい。こんなに気持ちいい音楽なのに、もったいない。

もともと気持ちいいガムランとアンビエントの融合が悪いわけがなく、もうずっとこればっかり聴いてる毎日。
タイトル曲も素晴らしいがB面の2曲もとてつもなく気持ちいい。

音はBandcampでも買えるが、ジャケは最高に美麗だし、きちんとしたブックレットにダウンロードコード(16/44.1)まで付いてる。
これは絶対アナログで持っていたい一枚だ。

Antoine Loyer「Chant De Recrutement」

ジャケに惹かれて借りたベルギーのSSW。即効性はないが中毒性高し。

chant

フランス語なので曲名も読めないし何を歌ってるかも解らない。ただサウンドが妙に心地良くて、聴き始めるとあっという間に35分経ってる。
思いっきりサイケっぽくなったりピアノ弾き語りでどことなくシャンソンっぽくなったり、飽きない。
「Jeune femme sautant d’une falaise」はポール・エリュアールの詩で、シュルレアリスム好きとしては引っ掛かる。もちろん意味は解らないので、そのうち詩集を読んでみよう。

アシッドフォークというよりはフリーフォークなのかなぁ。どうでもいいよなカテゴリーなんて。

Randy Rice「To Anyone Who’s Ever Laughed At Someone Else」

Mike Fiems『I Would Dream』と同時にBeyond The Moonから再発されてたのがRandy Riceのこれ。

toanyone1974
(『I Would Dream』のインサートも間違って1枚入ってた。海外盤のルーズさは好き)

これも1974年のアルバム。簡素なジャケの自主制作盤、なのでどうしてもVirgin Insanityみたいなものを期待してしまって、結果的にはああいうレコードなんてそうそう無いからこそVirgin Insanityは評価されてるんだなってことを実感。

個々の曲はそこまで悪くないと思う。少なくとも個人的に好みの曲もある。ただそれほどメロディやアレンジの引き出しがある人じゃなさそうで、2枚組80分のボリュームはキツい。最後のほうは全部同じ曲に聞こえてくる。
それこそ30分強にまとめてたらかなり良いアルバムになったかもしれない。もったいない。

でもそんな自分の世界への度を越した没入具合が自主盤の魅力だし。こんなアルバム作れたら愉しいだろうな。

Mike Fiems「I Would Dream」

dream1974

よく知らない人が74年に発表したアルバム。プロデュースがLink Wrayの兄貴って情報とかジャケットの雰囲気に呼ばれて購入。
ちょっとボーカルが浮きすぎてたり、アコギのストロークが大味すぎるミックスが好きになれなかったが、何度か聴き返しているうちに嵌ってきた。
ほんのちょっと泥臭さもあるアシッド感覚。ファズの使い方なんか上手くてBuffalo Springfieldの「Everydays」みたい。
「Seven Years」のコード感はツボ。

Lord Sitar「Lord Sitar」(RSD2015)

Rainbow Ffollyと同じ、4月のRSD限定商品。

lordsitar1

10年ぐらい前の「MOJO」の付録CDに、このアルバムから「I Can See For Miles」が収録されていて、それがすごくツボに嵌るアレンジだったので再発は嬉しい。
Discogsを見ると何度も再発されてるみたいだけど、レコ屋で見かけることは無かったので。

whocovered
Sandy Nelsonの「Pinball Wizard」もかっこいい。

Lord SitarはBig Jim Sullivanの変名らしい。でも本名で『Sitar Beat』っていう似たような趣向のアルバムも出してる。こっちもなかなかいいアルバム。
契約の関係かなんかで名義を使い分けてたんだろうか。

lordsitar2
グリーンのカラーヴィニール。

原盤はキャピトルで当時のUK盤はコロンビアからの発売。
当時のレーベルはブルーコロンビアだけど今回はイエローパーロフォン。雰囲気はいい感じ。

Rainbow Ffolly「Sallies Fforth」(RSD2015)

大好きな英サイケのモノラル盤が、4月のRSD限定でリイシューされた。
もちろん欲しかったんだけどRSD商品は買い時が難しいというか、忘れた頃にすごく安くなってることも多いのでしばらく保留にしてた。
で、20%オフになったのでそろそろいいかなと思ってお買い上げ。

salliesfforth1
ヘタウマなジャケはLPサイズで見てもヘタ。

salliesfforth2
三方折り返しと180g盤の重量感にニンマリ。

salliesfforthlabel
レーベルはイエローパーロフォン。綺麗なのか汚いのか微妙なカラーヴィニール。…どうしてカラーヴィニールがレーベルの“上に”飛び散ってるのかは謎。