ジャン・リュック・ゴダール「気狂いピエロ」

これも町山さんの映画ムダ話を聞いたので再見してみる。
でもこれは、作品とゴダールの私生活との関係が解ってから観ても、あまり印象は変わらなかった。

ワケは解らないけど、とっつきづらい映画でもないのだ、個人的には。
全編を貫く厭世感と死の気配のおかげもあるし、やたら饒舌なベルモンドの言うところは解らなくても、やたら饒舌になってしまう彼の心理はなんとなく解る。

すべてをバカにしたような不敵さと、死に向かうスピード感が堪らない。
その裏に「だめにんげんだもの」が隠れているのだから、どうしようもなく大切な一本なのだ。

ジャン・リュック・ゴダール「気狂いピエロ」 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Jean-Luc Godard タグ ,

ジャン=リュック・ゴダール「ワン・プラス・ワン」

ずっと後回しにしてた映画を暇つぶしに。

『ウイークエンド』とストーンズのレコーディング風景のコラージュ。
両方おいしいので当然映画は退屈なものなんかじゃなく気持ちよかった。

ジャン・リュック・ゴダール「はなればなれに デジタルリマスター版」@早稲田松竹


ポスターがいい。売ってれば買いたかった。
『女は女である』の後に観ると、まるで別人みたいなアンナ・カリーナに驚く。
英会話教室の初登場シーンでは(そういう設定とはいえ)全然垢抜けないし。

その後だんだん魅力的になってく彼女と、有名なダンスシーンがいい。観終わってからマネしたくなるのはああいうシーンだよねえ。

そして犯行まで時間を潰すために、フランツの発案でルーブルを全力で走り抜ける3人。
本筋に関係ないようでいて、〈もう引き返すことが出来ない〉ところまで来てしまった3人の刹那性とか切なさを一瞬で見せてくれる名シーン。
淡々としたナレーションに挟まれて唐突に始まり唐突に終わるのがまたカッコイイ。

最後まで、フランツと特にアルチュールに魅力を感じられなくて、そのせいで展開に乗れなかった部分もある。
『女は女である』の2人に惹かれるのはわかるけど、こんな2人に惹かれるもんだろうか。
でもアンナ・カリーナが穿いていたストッキングを被って強盗するのはなんか羨ましい。

観ている最中はそれほどピンと来なかったが、冬のパリ郊外を訪れたような感覚はずーっと後を引いてる。
いろんな映画人に偏愛されるのも、なんとなくわかる気がする。

ジャン・リュック・ゴダール「はなればなれに デジタルリマスター版」@早稲田松竹 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Jean-Luc Godard タグ ,

ジャン・リュック・ゴダール「女は女である」@早稲田松竹


ゴダール初体験が『女は女である』だったのだ。それも早稲田松竹で。
でもそのときは、もう一本の『男性・女性』のほうが好みだなぁと思ったぐらいで、特に印象に残らなかった。


それが10年ぶりぐらいに観たら面白いのなんの。
面白いというより〈気持ちいい〉。ゴダール以外の何物でもない文法が快楽中枢だけを延々と刺激する。

ゴダールの〈この女に惚れちゃったんだからしょうがねぇだろう〉って気持ち以外、なんにも伝わってこない。
アンナさえ魅力的なら、ベルモンドもルグランも添え物で構わないのだ、と。音楽なんかブツブツ切られるし。
でもそれが気持ちいい。

ちゃんとこっちも気持ちよくしてくれるなら、ただのノロケ映画でも文句はない。
女優さんが可愛いなら、文句なんかあるわけありませんって。

ジャン・リュック・ゴダール「女と男のいる舗道」@シネマブルースタジオ

シネマブルースタジオにて、ヌーヴェル・ヴァーグ前夜特集。そういえばヌーヴェル・ヴァーグの明確な定義を知らない。まぁいいや。

cinemabluestudio0905
『女と男のいる舗道』。
本筋はおいといて、アンナ・カリーナが働くレコード屋のシーンが最高。
客との気だるい応対。とってつけたような笑顔で手渡す紙袋。その中には美麗なジャケットのフランス盤EPとLPが一枚ずつ。
あんなお店で買い物できたら、ジャケに少しぐらい傷があろうが楽しくてしょうがないだろう。
レジ前にはトーケンズのEPがあった気がする。

ゴダールの映画はコラージュだと思っているので、後からチラシやパンフでちゃんとストーリーがあることを知ると驚く。
この映画だって物語を追えなくはない。『ウィークエンド』やら『気狂いピエロ』ほどブッ飛んではないし。
でも、場面場面の引用やディティールが意味するところを考えつつ観ていると、頭がこんがらがってくる。

ゴダールがずば抜けて難解だとは思わないが、やっぱりこっちも教養が全然足りないので、理解できない場面も多々ある。
ただ、その〈解らなさ〉が堪らなく快感だと、負け惜しみのように言ってみる。実際快感なんだから仕方ない。
死ぬまで背伸びで観続ける映画作家だろう。

ジャン・リュック・ゴダール「勝手にしやがれ デジタルリマスター新訳版」@K’s cinema

口を開けばほとんど「君と寝たい」しか言わないベルモンドがおかしい『勝手にしやがれ』も新訳で公開。
ゴダールの作品中では印象が薄かった一本。久しぶりに観たら…カッコイイ!

souffle_2016
モノクロのパリの街並みがカッコイイ。フランス車も最高にカッコイイ。音楽も、小さく聞こえるカメラが回る音もカッコイイ。
カッコイイことはなんてカッコイイんだろう。

ベルモンドとセバーグが延々とベッドでイチャついてるシーンが好き。
アンナ・カリーナが演ってたら…と思わないこともないけど、セバーグはセバーグで魅力的だ。ただこの映画は彼女の最期を知ってから観たので、なんだかやけに表情が切なく見えたりもする。

ジャン・リュック・ゴダール「勝手にしやがれ デジタルリマスター新訳版」@K’s cinema はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Jean-Luc Godard タグ ,

ジャン・リュック・ゴダール「気狂いピエロ デジタルリマスター新訳版」@K’s cinema

最高!何度観ても華麗なる気狂いピエロ!

pierrot_2016
リマスター効果で発色が凄く綺麗。ゴダールの原色が映える映える。

なんたってゴダールだし難解だと決めつけてたようなところがあって、実際大学時代に観たときはサッパリ解らなかった(でも好きだった)。

今あらためて観ると、引用元を知らないから「?」になるだけの話で、ならば引用元を紐解いて読み解けばいい。能動的な関わり方が解れば愉しくてしょうがない。
たとえそういう見方をしなくても、とにかく可愛いアンナ・カリーナを見ていればいい。コラージュのリズムに身を委ねればいい。
最後の爆死まで、ニヤニヤが抑えられない。

ジャン・リュック・ゴダール「気狂いピエロ デジタルリマスター新訳版」@K’s cinema はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Jean-Luc Godard タグ ,