ルイ・マル「鬼火」


原作小説がジャック・リゴーをモデルにしていることを知ってから観てみる。
なるほどパリにいる旧友たちはシュルレアリスム運動周辺の連中だったのかと気づく。
もろにデスノスみたいなやつも出てくるし。

それにしても、うつ病とうつ状態の間、病人と健常者の別れ目はどこにあるんだろう。
精神医療では主治医を信頼しないと寛解なんてあり得ないが、それはほとんど不可能なことだと思う。
少しでも医療側に不信感を抱いたら最後、文字通り最期なんだろう。

サティの音楽は本当に希死念慮によく似合う。

ルイ・マル「鬼火」 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Louis Malle タグ

ルイ・マル「死刑台のエレベーター」「地下鉄のザジ」@早稲田松竹

早稲田松竹にて、「死刑台のエレベーター」「地下鉄のザジ」の二本立て。
おなじ監督とは思えない振幅の二本。本当に才能のある人は両極を内包してると思う。

「死刑台」のほうはサスペンスとして云々よりも、映像と音楽がカッコ良すぎ。パリの街並みと昔の外車、さらにはマイルスのペットとそれだけで無敵だが、ちゃんと夜が夜として暗いのがイイ。ブラッサイの世界。
ドイツ人夫婦を殺すバカップルには巧い子役なみにイライラさせられたが、男は「間違いなく死刑」になるらしいので一安心。
女の部屋の壁にゴッホの肖像画が飾られてるのがいかにもという感じで上手い演出だ。

「ザジ」はたまについていけなくなる感じが元祖「マジカル・ミステリー・ツアー」している。
90分でもちょっと長く感じたので60分ぐらいにしてもよかったかな。
街中で追っかけするシーンで、道行く人に混じって猫がザジ達を振り返り、呆れたようにトコトコ歩き出すのが映っている。
偶然なんだろうけど、一番好きなのはそこだった。

…それにしても、「死刑台」ってリメイクされたんだ。知らなかった。
阿部寛も仕事選べばいいのに。

ルイ・マル「死刑台のエレベーター」「地下鉄のザジ」@早稲田松竹 はコメントを受け付けていません。 カテゴリー: Louis Malle タグ ,