テオ・アンゲロプロス「シテール島への船出」「霧の中の風景」@新文芸坐

新文芸坐アンゲロプロス追悼週間の最終日。今日は大好きな『シテール島への船出』と初鑑賞『霧の中の風景』。

『霧の中の風景』は評価も高いようだし結構期待して観た。導入部は良かったんだけど、馬が死ぬシーンとか、女の子が男に犯されたり(直接的な描写はないものの)とか生理的にヤなシーンが散見されたのが辛かった。
重厚な雰囲気の中にもロードムービー的な雰囲気があって、ジュークボックスからガレージが流れる場面なんかヴェンダースみたいだった。『旅芸人の記録』一行も出てくる。
ラストシーンは綺麗だけど悲しい。実は『シテール島』と相似形にあるのかもしれない。

『シテール島への船出』は2、3年前に観て以来、アンゲロプロス中で一番好きな作品。でもどうしてなのかというとはっきりわからない。今回観直してもやっぱりわからない。ただ観ていて心地良いから…ぐらいしか言えない。最後の港のシーンの空気感が、好きなんだよなぁ。

結局印象批評しかしてないな。頭悪過ぎてイヤになる。

テオ・アンゲロプロス「狩人」「永遠と一日」@新文芸坐

新文芸坐でテオ・アンゲロプロス追悼上映。スクリーンで観られるのはもちろん嬉しいけど、それが死によるものなのは悲しい。今までも追悼上映のおかげで観られた映画も多いけど、やっぱりちょっと悲しい出会い方だとは思う。

昨日は『狩人』『永遠と一日』を観てきた。

『狩人』はすごい。すごいというか凄まじい。ギリシャ史に通じてないので所々意味のわからないシーンや台詞もあるが、そんなのおかまいなく映像と音に引き込まれて一気に観せられる。
3時間で47カット(!)というのも凄いが、それでいて長回しを意識させないのも凄い。観ているあいだはただ画面の美しさに意識がいくので、カメラや人物がどう動いたとかどこでカットを繋いだとか余計なことは考える隙がない。
印象的なシーンだらけだが、湖の上を赤旗を掲げた船たちが静かに進んでいくシーンが好き。後ろの山にかかってる霧もいい。日本にはない景色だよなーとか思いつつ観ていた。
あとは音。もちろん音楽はないので現実音と、現実音として挿入される音楽があるだけだが、これも相当計算されてるんだろうなあと思った。台詞がなくて、木の床を革靴で歩く軋みと、微かにフィルムが回ってる音が聞こえてくるシーンとかたまらん。
一回『旅芸人』や本作を音だけで鑑賞してみたい。でも間違いなく寝る。

『永遠と一日』は、『狩人』が凄過ぎたのでちょっと分が悪い。だいたいアンゲロプロスを集中力切らさずに二本続けてみるのは疲れてしまう。
どうしても『狩人』の印象が残った頭で観てるので、やたら台詞が多く感じる。くわえて子どもが出てきたのでなかなか没入できず。
でもブルーノ・ガンツは好きだし、彼の回想の海辺のシーンの美しさも素晴らしい。なにより良かったのは音楽。逆に音楽がなかったらそこまでの映画でもない気がする。

…やっぱりアンゲロプロス二本立てはハードだ。二本目はケツが痛いし空調は暑いしであんまり集中できず。しかもここ2、3日で急に花粉が増えてきたみたいで眼も痒いし、ツラかった。