ヴィム・ヴェンダース「パレルモ・シューティング」

一応観たのでメモ。
ヴェンダースなのに音楽の使い方がイマイチで引き込まれない。
Lou Reed本人がわざわざ出てくる必要があったのか疑問(しかもあんな形で)。
正直退屈でしかなかった。以上。

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ヴィム・ヴェンダース「パリ・テキサス」@早稲田松竹

『ベルリン・天使の詩』で眠ったあとは『パリ・テキサス』。

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いまさらどうこう書く必要もない傑作。これまでの、よくも悪くも起承転結のないロードムービー(『アメリカの友人』みたいな例外もあるにはある)と、それなりにストーリーがあるその後の映画との分水嶺。
だから両方の美味しいところを愉しめる。

テキサスからLAに戻ってくるまでの前半は、ヴェンダースに期待する映像そのもの。荒野にモーテル、車。例えていうならロバート・フランクが撮ったアメリカ。ジュークボックスが見当たらないが、ライのスライドギターがそれを補って余りある。

…というか、もしもライ・クーダーが音楽を手掛けていなかったらせいぜい佳作どまりだったんじゃないか。そう思わせるぐらい音楽が素晴らしいし、映像と切り離すことが出来ない。

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銀行からヒューストンまで、トラヴィスとハンターがジェーンの車を追うシーンが大好きだ。
この映画はキャスティングも素晴らしいが、巧いのに憎たらしくないハンターは本当に可愛い。
ジェーンと絡むのは最後の1シーンだけだが、親子であることを瞬時に納得させてくれる二人の雰囲気がいい。
これからはジェーンもアンたちと一緒に暮らすんだろうなと思うと嬉しくなってくる。

フィルムじゃなくてブルーレイ上映なのは残念だったが、映像の鮮明さと音の良さには正直驚いた。
フィルム傷も恋しいけどこれはこれでアリ。

ヴィム・ヴェンダース「ベルリン・天使の詩」@早稲田松竹

ヴェンダースは早稲田松竹で観るに限る。初めて彼の作品を観たのがここだったから。

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『ベルリン・天使の詩』はもちろん嫌いじゃないし、初めて観たときには相当感動もしたのだが、何度観ても新鮮、というわけでもない。
そこが『パリ・テキサス』以前の作品との違いで、何度でも観たくなる不恰好なロードムービー群と較べると、本作以降の作品は中毒性が薄い。

あとは単にキャスト(特に女優)に魅力を感じられないのがツラい。これは個人的な好みでしかないが。

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だから今回は端から眠るつもりでいた。仕事の疲れをとってスッキリした頭で『パリ・テキサス』を観るための作戦だ。
空撮やクレーンを多用したカメラワークと、メロディーの起伏が少なくてアンビエントっぽい音楽は睡眠誘発にピッタリ。
そして早稲田松竹のいつもの席。最高の睡眠環境で気持ちよく寝た。

映画館は映画を観るだけの空間ではないし、〈よく眠れるいい映画〉もたくさんある。

ヴィム・ヴェンダース「ゴールキーパーの不安」

『誰のせいでもない』が公開されるのに、あんまり旧作の特集上映も組まれなくて寂しいヴェンダース。
個人的には盛り上がりたいので、『ゴールキーパーの不安』を観る。
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これが初の商業用長編っていうから驚く。興行的な野心は全然感じられない。
こんなに小難しそうで退屈な映画でデビューして、よくその後も監督業を続けられたもんだ。

相当クセのある原作を忠実に映画化したらしいが、そんなもん原作を読まずに楽しめるはずがない。それでいてテンポは後のヴェンダースと同じだから眠くなる。

ただ、こっちはヴェンダースの手癖によくも悪くも惚れちゃってるから、この退屈さも「そこがいいんじゃない!」と肯定してしまえる。

正直にいえば、ヴェンダースの映画は7割ぐらいが習作どまりだと思うときもある。
それでも、ノイズ混じりのラジオやテレビ、映画館とジュークボックスが映し出されれば、それで許せてしまう。本作ならThemやTroggs。

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何度も観たいとは思わないが、つまらないと言い切るには抵抗がある。いや確かにつまらないけど、好きだ。
ロードムービー三部作はもうすぐそこにある。

クリストファー・ペティット「レディオ・オン」

あんまり家で映画観るのは気が進まない。部屋暗くしたり無音状態作ったりネコさんが入ってこないようにしたり塩味のポップコーン用意したりしないといけないからめんどくさい。
でも映画館に行く時間も作れないのでDVDを借りた。

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ヴェンダースがプロデュース、モノクロ、ロードムービー、音楽は70年代後半のロックとニューウェーブ。
自分が好きな要素だけで作ったような映画だから期待して観たら、信じられないほどつまらなかった。素材がなんだろうと、ヘタクソな映画はヘタクソな映画でしかないことを再確認。

監督が自分の好きなものを陳列してるだけ。「これが好きなんだ」って語られるのは大抵楽しいものなのに、語り口次第でこんなに退屈になるのか。
とにかくテンポが悪い。ヴェンダースのロードムービー三部作が好きで仕方ない学生が撮った自主映画みたいな感じ。
リサ・クロイツァーの娘の名前がアリスなのもオマージュなんだろう。確かに一瞬だけニンマリするけど、口直しにヴェンダースを観たくなるんだからどうしようもない。

唯一の救いはスティングの出演シーン。「Three Steps To Heaven」を弾き語る姿が滅茶苦茶カッコイイ。
逆に言えばここの場面だけ完璧に浮いちゃってるんだけど。

ヴィム・ヴェンダース「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」@早稲田松竹

ヴェンダースとライとのそれまでの関係があってこそ出来た映画だろうし、キューバ出身の老ミュージシャン達がニューヨークを訪れて「憧れていた」と話すシーンにしても、底に沈められたものはいろいろあるんだろう。でも底を浚うよりとにかく何か弾きたくなる。

bvsc

長生きはしたくないが、楽器弾いてるじいちゃんばあちゃんは国籍楽器問わずみんな凄まじくカッコイイ。なにより楽しそうでこっちも楽しい。あんな風に歳を取るなら悪くないかもしれないと思ったりする。
ルーベンがギムナジウムで子どもたちに囲まれて楽しそうにピアノを弾くシーンが最高に好き。楽器が弾けると間違いなく人生は豊かになる。

綺麗なオスティナート(トゥンバオというそうな)の上でインプロ回し(デスカルガ)をする「Chanchullo」も好きなシーン。
アルバムには入ってないのが残念。…というか久しぶりに聴いたら結構好きな録音だ。音の回り込み加減もいい。アナログの再発買っとけばよかった。
もっとラテンを聴きたい。とうようさんの本も読みたい。勉強しないと。

ヴィム・ヴェンダース「セバスチャン・サルガド 地球へのラブレター」@早稲田松竹

早稲田松竹。いつもの席。
好きになった人は撮らずにいられないのがヴェンダースなんだろうか。未見だけど『東京画』も『pina』もそうだろうし。

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サルガドは知らなかった。ヴェンダースってだけで観たようなもの。
自分は絶望的な写真音痴なので、よっぽど凄い構図の風景写真なんかはともかく、写真(特にポートレート)から何かを感じる能力がない。ゼロ。
そういう意味では写真を撮影者に解説してもらいながら一緒に観るような構成なので助かった。

でも辛かった。内容もヘヴィだし、なにより視力が落ちたことを思いっきり突きつけられて。
スクリーンにデカデカと映し出された写真を観るのに、いちいち目の開き具合を調整しないと(自分の)ピントが合ってるのかわからない。鮮明すぎるデジタル上映のせいにしたいけど違うし。
疲れた。眼鏡じゃなくてコンタクトにすればよかった。でもこの時期は乾燥して痛いからヤダ。

眼精疲労のおかげで次に観た『BVSC』が余計に楽しめたのでOKにした。