佐々木倫子「ペパミント・スパイ 第1巻」

いまさらながら『Heaven?』を全巻買ったのに、届いたその日に『ペパミント・スパイ』を引っ張り出して読み始めてしまった。
なにがしたいんだろう。

動物の出番が少ないのがちと寂しいが、ドナルド君の活躍もやっぱり面白い。
〈王室恋愛編〉と〈王室結婚編〉は珍しく(?)恋愛譚。
例によって『ローマの休日』風味で、楽しくて切なくて良い。

それにしても改めて、繊細でいながらボケもかますペンタッチに惚れ惚れする。

佐々木倫子「家族の肖像」


忘却シリーズ第2弾。
表題作もルイが主役みたいなもんだが、「君の名は」で物干し台に絡まるルイが可愛い。
犬を飼ったことのある人なら一度は経験してると思う。

あと「魔の席」の丘多摩の描写が好き。
佐々木先生が描く生活感には生々しさが無い。淡白というか無機質というか。それが北海道へのエキゾチシズムを倍加させる。

併録の読み切り「バレリーナ」「カルケット恐怖症」もやっぱり傑作。
「バレリーナ」での、主人公の女性と一回りまではいかないけど年下の男の子の恋愛感情を抜きにした関係性が好き。
『林檎でダイエット』もそうだけど、こんな環境で暮らしたかったなぁと思う。

書き下ろし「趣味の講座」はお裁縫。
私生活も美人姉妹ですね。

藤子・F・不二雄「ドラえもん 第0巻」(てんとう虫コミックス)

F全集刊行後も、手を変え品を変え出版されるドラえもんのコミックス。
言ってしまえばこれもそんなひとつだが、一応はてんとう虫コミックスだし、装丁もいいし、なんというか縁起物だし、買うことにした。

発売前日と当日に書店に行ったが見つからなくて、不本意だけどAmazonで購入。2刷だった。
広い層にアピールしたんだろう。いいことだと思う。
内容は間違いないので、ぜひご家庭に一冊常備を。

佐々木倫子「食卓の魔術師」

佐々木先生の初単行本にして、忘却シリーズの第一弾。

忘却シリーズ三編はもちろん面白いのだが、併録された「プラネタリウム通信」が、美人姉妹シリーズのパイロット版ぽい雰囲気もあって好き。
人間のちょっとイヤな部分が(生々しくならない程度に)描かれているあたり、作者の観察眼の鋭さが浮き彫りになっていると思う。

書き下ろしの「趣味の講座」は乗馬編。肩の力を抜いたエッセイ漫画も一級品。

佐々木倫子「林檎でダイエット」

現実に疲れて、頭がイヤなことで一杯なときは、好きなものについて考えるに限る。

藤子F先生は別格として、佐々木倫子先生はいちばん好きな漫画家である。
『動物のお医者さん』に描かれている世界は自分にとっての理想郷だし、笑いのテンポとかセンスにもすごく影響を受けた。

『林檎でダイエット』も『動物のお医者さん』と同じくらい(か、ひょっとしたらそれ以上に)好きな作品集。
浅野姉妹が主人公の作品はたったの5本しかないが、すべて傑作。何度読み返しても面白い。
佐々木先生の作品が面白いだけでなく心地好いのは、いろんなところで言及されてるが、風通しの良いドライな人間関係にある。
この作品でもサバサバとした人間関係は徹底されていて、姉妹が主人公で恋愛が題材になったりもするのに、ちっともウェットにならない。
素晴らしい。

この5本で終わってしまったのが本当に惜しい。
願わくば続きが読みたい。雁子さんと鴫子さんなら、時代が変わってもマイペースに生きていてくれそうだ。

DVD「逮捕しちゃうぞ ORIGINAL ANIMATION VIDEO SERIES」

実はOVA版『逮捕』はLDだけじゃなくDVDも(レンタル落ちだけど)持っている。
部屋を整理したら出てきたので久しぶりに観た。

FILE.1「そしてふたりは出会った」
アニメ版でFOX和尚が活躍する話って実はこれぐらいなんじゃないだろうか。もう一本ぐらいあったか。
それはともかく。二人の出会いが丁寧にテンポよく描かれてて楽しい。一話目から傑作なのだった。

FILE.2「東京タイフーン・ラリー」
ネコ絡みなのもあって好きなエピソード。堀切ジャンクション(たぶん。小管か堀切あたりがモデルには違いない)がほんの少し出てくるのも嬉しい。
台風の描写がすごく丁寧で臨場感を盛り上げる。特に音響は凝ってるなあと。

FILE.3「恋のハイウェイ・スター」
なんとなくテンポが悪い。

FILE.4「on the road, AGAIN」
最終話だけに力も入ってたんだろうけど、やっぱり続きが観たくなる熱量を孕んでる。
ここで終わらせるのはもったいないよねぇ、と関係者も思ったに違いない。

最近原作を読むまで、TV版はオリジナルストーリーメインで、OVAは原作に沿ったストーリーだと思ってたのだが、実際は逆だった。
OVAで原作が活かされてるのはFILE.3と4の一部だけ、ほとんどオリジナル。

作品の肝だから手を抜くわけにはいかなかったんだろうが、メカ描写は良く出来てると思う。
車にもアニメにも詳しくないけど、手書きのセルアニメで実在の車両を動かすのが大変なことぐらいは(それこそ『ルパン』なんか観てれば)想像がつく。CGでやってもこの味は出ないだろうし。

あと、小さい頃家にトゥデイがあったことも、『逮捕』好きに少し関係あるかもしれない。
確かに可愛いクルマで、歴代の愛車のなかでも、両親も特に気に入っていた気がする。

魔夜峰央「パタリロ! 100」

90巻あたりから買ってなかったんだけど、一応100巻達成の御祝儀ということで今更買ってみた。
そうしたら予想外のアスタロト編が途中から収録されてたので遡って98、99巻も購入。

当然、以前(22、23巻)のような絵柄の美麗さはないけど、腐ってもアスタロト編なので割と面白い。
プロットも何もない惰性マンガを読まされると思ってたので嬉しかった。
もう少し祝祭感を出して欲しかったところだが、描こうと思えばまだそれなりには描けるんじゃん、ミーちゃん。

DVD「逮捕しちゃうぞ Vol.1」

どっちかといえばアニメは嫌いだし、子供の頃観たアニメも藤子アニメ以外は覚えてない。
ただ『逮捕しちゃうぞ』だけは例外で、毎週観てたわけでもないのに、妙に印象に残っている。土曜の夕方っていう時間帯がまた良かったんだよね。

後になって観たこともないOVAまでLDで揃えた。
00年頃だったか、その頃すでに中古LDは(作品によるんだろうけど)相当安くなっていたので、ボーナスジャケつき片面30分という贅沢な仕様でも、確か300円ぐらいで買えた気がする。

で、久しぶりにTVシリーズのほうを観たくなってDVDを借りた。
話数はOVAから続いてることも初めて知った。
FLYING KIDSの主題歌が懐かしい。
やっぱり面白いね。

FILE.5「美しきもの、汝の名は葵」
葵ちゃんがアニメオンリーのキャラなのかは知らないが、上手いキャラクター設定だと思う。

FILE.6「恐怖の閻魔大王・蟻塚警視正」
ベタベタだけどキチッとツボを押さえた話は見終わって気持ちがいい。

FILE.7「正義の使者・怪傑ストライク男!」
ストライク男のエピソードはあんまり好きじゃない。

FILE.8「ラッキー頼子の大勝負!」
これもゲストキャラがイマイチ。頼子に限らずレギュラー陣の警察学校時代って想像しにくい。

FILE.9「恋の迷走トライアングル?」
オチが弱いけど美幸の女性的な部分を描いたエピソードは好きだ。

ドラえもんナイト@TOHOシネマズ日劇

さよなら日劇ラストショウ。
〈ドラえもんナイト〉、これこそ本当に〈大人のためのドラえもんオールナイト〉の再来。日劇への思い入れ云々は抜きにしても行くしかないでしょう。

上映作品、タイムテーブルは以下の通り。


なんと予告編大会のサプライズ。
選りすぐりといいつつ、キャスト交替までの全作品を併映作品含めほとんど上映。
ビデオやDVDではブツ切りになってるドラえもんと併映作の予告編(あれはあれで親しみはある)がオリジナルの形で観られる歓び。
「風のマジカル」が流れる『魔界大冒険』はもちろん、『宇宙小戦争』はソフト化にあたって英語のナレーションが多少カットされてることも判って面白かった。


個々の作品の感想は神保町シアターでの特集時に書いたので省略。
『鉄人兵団』は神保町シアターのときと同じ、「藤子不二雄映画全集」のCFが映画の余韻をぶち壊す楽しいプリント。


『日本誕生』はたぶん同じプリントだと思うけど、序盤にフィルム傷が目立ったような気もする。


『アニマル惑星』は明らかにフィルム傷が多かったので別のプリントか。


『宇宙小戦争』は冒頭に〈ぼくたち地球人〉のCFが付かない別プリント。状態は良好。

名画座のオールナイトじゃないからロビーの展示とかは淋しかったが、最後に『宇宙小戦争』を持ってきた構成は満点。
とはいえ季節が季節なので、5時半過ぎの有楽町はピリポリスと違ってまだ真っ暗だった。