魔夜峰央「パタリロ! 100」

90巻あたりから買ってなかったんだけど、一応100巻達成の御祝儀ということで今更買ってみた。
そうしたら予想外のアスタロト編が途中から収録されてたので遡って98、99巻も購入。

当然、以前(22、23巻)のような絵柄の美麗さはないけど、腐ってもアスタロト編なので割と面白い。
プロットも何もない惰性マンガを読まされると思ってたので嬉しかった。
もう少し祝祭感を出して欲しかったところだが、描こうと思えばまだまだ描けるんじゃん、ミーちゃん。

魔夜峰央「妖怪盗賊マザリシャリフ」

もともとマンガを読まないせいもあるけど、たまに萩尾望都なんか取り出して読むと、次のコマがわからなくなることが結構ある。文章だけのほうがよっぽど読みやすい。
文庫版『パタリロ!』の何巻だったか、解説で植木不等式が加齢とマンガを読み進む能力の関係について書いていて、曰く「近年の魔夜峰央の作品は高齢者にも優しいコマ割り」。あれはまんざら冗談でもなかったんだなと思う。
たまたま見つけた古本屋で買った『マザリシャリフ』も優しいコマ割り。

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ただ、中盤からはストⅣ。
普通のコマ割りで進んできていきなり4コマになると、変拍子になったようでまごつく。変拍子ならまだいいけど、テンポが悪いというか、リズムキープ出来てないというか。
もちろんまだまだ“描けてた”時期の作品なので、ストーリーがつまらないとか、絵が雑ってことはない。だから余計にもったいない。

魔夜峰央「翔んで埼玉」

またミーちゃんが引っ越しでもしないと復刊は出来ないだろうと思ってた『翔んで埼玉』が復刊されるそうな。
とはいっても宣伝の煽り方があんまり好きじゃないし、昔『やおい君の日常的でない生活』をそこそこの金額で買ったのにシャクなので、たぶん買わない。

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『やおい君』も復刊されるならもう一冊欲しいな…と思ったらkindle版だけだった。

埼玉も千葉(アメリカの千葉、ノースダコタ)も僻地扱いなのに茨城だけ無傷なのは、やっぱり奥様のご実家があるからなのかなぁ…、なんて思いつつ、久しぶりに開いた『やおい君』収録の『時の流れに』。

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いきなりこれだ。

「翔んで埼玉 Part 2」でも、
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これだ。

忘れてるだけで栃木群馬もちゃんと爆撃されてるかもしれない。

いまさら言うまでもなく、『翔んで埼玉』も『時の流れに』も、脂が乗り切ってる時期の作品だから本当に面白い。
特に『時の流れに』はミーちゃんお得意の古典SFからアイディアを借用した作品。ストーリーは『原子怪人対未来怪人』(イヴ・メルキオール)なんかに似てる。ストーリーテラー魔夜峰央の面目躍如。
まだ描くんなら『パタリロ!』も頑張ってよ。最近は買う気すら起きないよ。

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魔夜峰央「パタリロ!」89巻

帯にもある通り、もうすぐ90巻。これは素直にすごい。
すごいと思うけど惰性で買ってる感も否めないわけで、今回はさすがにちょっと頂けないなぁと思った。
特に最初に収録されてる話が酷い。わざわざこれをトップに持ってこなくても…。
ストーリーテリングの安易さは前々から始まっていたことだけど、どうもページ全体の密度もどんどん薄くなっているような気がする。かつての面影はどこにもない。

100巻までいって欲しい気もする。余力があるうちに読み応えのあるエピソードで締めくくって欲しい気もする。
ただ単に数字にこだわって続けてるんじゃ終盤の寅さんと同じで惨めなだけじゃないか。

魔夜峰央「パタリロ!選集 5」

魔夜先生の作品を読み返す土曜日。
扉絵が省略されてるので文庫版はあんまり好きじゃないけど、この5巻は異様に密度が高いので好き。
ザカーリ、ミロール、ラシャーヌ、ニーゲム大戸木とゲストも豊富だし、ギャグの切れ味もテンションも高い。
コミックスの6〜7巻からタランテラ関連とタイムワープ関連を除いたら傑作だけが残った、という感じ。
ここにルル=ベルがゲスト出演する「地球人の課題」が収録されてれば完璧だったのに。なんでこの話だけ未収録なんだろう。

ただこの文庫は解説をこぶ平が書いてるのが欠点。自慢タラタラで、パタリロとは対極の愛せない顔面スピロヘータだ。

「マリネラの吸血鬼」とスペル星人

引き続き魔夜先生ネタ。
花とゆめコミックス版の『パタリロ!』4巻に収録されていた「マリネラの吸血鬼」が欠番になっているのは有名な話です。

参考までにWikiを見ると、「吸血鬼」が削除されたのは16刷以降と書かれています。

第16刷以降では第4巻に収録されていた作品番号13番以降の番号が1つずつ繰り上がり、さらに元々作品番号なしで発表されたエピソード「スターダスト」に新たに番号を割り振ることで帳尻合わせが行われ、現在、「マリネラの吸血鬼」は闇に葬られた状態になっている。

これはやや正確性を欠く記述です。
自分の手許にある17刷(1985年4月15日発行)は、過渡期の混乱を感じさせるややこしいブツです。

まず目次。


この通り、「マリネラの吸血鬼」はしっかり第12話として記載されています。

でも実際に「バンコラン死す!」が終わって95ページを見ると…


「吸血鬼」ではなく、125ページから始まるはずの次のエピソード「妖怪ぬらりひょん」(目次では第13話)が収録されています。

さらに、「怪奇生花店」の後には、目次には無い読み切り短編「この世の果て」と「サーザ」の2本が収録されています。


これは12話欠番に伴うページ調整でしょう。

そして奥付。


こっちは収録作品修正後のものなので、目次とズレが生じてしまっています。

この4巻を古本屋で購入した頃は欠番のことなど知る由もなかったので、とても混乱しました。

で、肝心の「マリネラの吸血鬼」ですが、はっきり言ってそんなに完成度は高くないと思います。
タマネギ部隊が(お付きの武官としてではなく)初登場したり、伊達巻さんの日の丸ふんどしのルーツが垣間見れたりと面白いのは確かですが。

興味深い内容を持ってはいるものの出来は平均点、しかし観賞が困難であるが故に過大評価されがちという点では、「ウルトラセブン」の同じく欠番の同じく12話(!)「遊星より愛をこめて」に通ずるところがあります。「遊星より〜」も作品自体はいたって普通(もしくは水準以下)の出来映えです。

しかしなんの因果かパタリロとスペル星人は似ている。きっとスペル星人はアセルニ辺境星人の親戚なのでしょう。


↑いまにも「パパンがパン!」とやり出しそうなスペル星人の勇姿。
↓スペル星人にも「同志!」とやりそうなアセルニ辺境星人の勇姿。

魔夜峰央「ゼロ星」

再読。
カバー折返しでミーちゃん先生自ら「理屈抜きで楽しめるスペースオペラを目指した」とおっしゃるだけあって、どこか懐かしいSFの匂いがする好編です。
自分はSFだとブラッドベリぐらいしか読んでないのでわからないけど、たぶん元ネタもわかる人にはわかるんでしょう。
シリアスと四コマが混在する「ストⅣ」で、賛否両論あるみたいですが、個人的には全然アリ。
確かに展開がモタってる感はあるので、「毒師プワゾン」とか初期の読み切り作品みたいなシリアス直球で描かれていたら、とんでもない傑作になっていたかもしれません。