シン・ウルトラマン雑感

『シン・ウルトラマン』なんて作る意味があるのかと思っていた。
『シン・ゴジラ』は作る意味があった。というより、フクシマを経験した以上、〈作らなければいけない〉映画だったし、どうでもいいことを言えば、ゴジラファンですらゴジラを口に出すことが無くなっていた冬の時代を終わらせる副次的な効果もあった。

でもウルトラマンは。どこまで堕落しようとも一応は認知され、良し悪しは別としてシリーズも続いているし。
『シン・ゴジラ』の便乗企画程度にしか捉えていなかった。

で、雛型を見て、ほんのちょっとだが納得できた。
これは円谷プロから成田亨先生への贖罪なのかもしれない、と。

成田先生が円谷プロへの複雑な思いを抱いたまま鬼籍に入られたことは、とても残念なことだと思う。
しかも円谷プロはいまでも、成田先生や金城さんの遺産で糊口を凌いでいる。

それでも、今の円谷プロにも良心の呵責が無いでもないことは、ウルトラセブンねぶたのときに窺えた。
(それだってわからない。結局は自社キャラクターのPRのためだと言われればそれまでだ)


(↑『成田亨画集』より)

まあ、そういう泥臭い話は抜きにしても、ファン以外の一般層が成田先生を認知するきっかけになればいいなと思う。

〈第一次ウルトラ〉以外認めないとは言わないまでも、自分もやっぱりエースぐらいまでしか許せない人間なので、余計にそう思う。

来年は円谷英二監督没後50年だ。

The 特撮Collection ゴジラ (1992)

懐かしいプラモデルのデッドストックを入手。
〈The 特撮Collection〉の初代ゴジラを、『vsモスラ』公開時に再発したもの。
バトゴジの頭部と腕が新しく加えられてるだけで、他のパーツは初代ゴジラのまま。初代の頭部と腕も付属したままなので、コンパチで初ゴジとバトゴジを選べる。

このキットは爺ちゃんの家に遊びに行くと、必ずハローマックで買ってもらった、という印象があって、たぶん3~4個は作ったと思う。
最初の一体は水性塗料でピカピカの黒に塗って父親に酷評されたなぁ、たしか。

〈The 特撮Collection〉もガンプラみたいに定期的に再版がかかってたのか、新作ゴジラ絡み以外のキットも、入手しやすいロングセラーだった。

ガラモンなんかは酷かったが、ペギラとかゴモラはガレージキットを見慣れた目で見ても、デフォルメ具合と作りやすさのバランスがいい好キットだった。
ガレージキットの代わりに作るには値段も安くてちょうど良かった。箱絵もカッコ良かったし。

惜しむらくはキングギドラを買わなかったこと。
あれもなかなか好きな造形なので、もし安く手に入ったら作ってみたい。

初代「ゴジラ」のタイトルロゴ

単なる愚痴。
本当にどうでもいい話だが、最近気になって仕方ないから書いておく。


タイトルロゴは映画の顔である。
それなのに、各媒体で昭和29年版『ゴジラ』のタイトルロゴがないがしろにされているのはどうかと思う。


東宝からオフィシャルにリリースされているブルーレイにしてからがこれである。


Amazonビデオも同じような状況。たぶん『モスゴジ』あたりから持ってきたんだと思うが、どうにも違和感がある。


本家がいい加減だから、第1作のみを扱った他社のムックでもこんなことが起こる。


これも。表紙のロゴで購買意欲が削がれる人間もそんなにはいないと思うが、自分はそんな人間だ。


だって、正しいロゴが使われた表紙と比べれば作品への愛情の度合いが判ろうというものでしょう。
そのへん、映画秘宝は流石だ。


初代ゴジラについていえば、84年版のロゴを使用しているものも結構ある。
これまた東宝のDVD。困ったもんだ。


とはいっても、これはLD時代からよくあったことなので、ブルーレイよりは違和感がない。
要は個人的な刷り込みだが。困ったもんだ。
でも例えば、ロゴもフォントも違っても、〈水爆大怪獣映画〉ときちんと銘打ってあるだけで、大切な部分は外していないという感じになる。

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FAVORITE SCULPTORS LINE キンゴジ 歩きポーズ

RIC時代も含めると、エクスプラスは息が長い。
独特なテイストのソフビ(初代ゴジラ雛型を持ってた)でスタートして、スタチューにも手を出したと思ったら、変な色のガメラをプライズで出したり、面白いメーカーだった。
それが20年前ぐらい。


息が長いと同時に変なメーカーだとも思う。
最近の〈酒井ゆうじ造形コレクション〉や〈FAVORITE SCULPTORS LINE〉にしても、自社の原型師より明らかに腕の良い原型師の作品を取り上げたり、いい意味で節操がない。

で、〈FAVORITE~〉は遂にイノウエアーツをラインナップするところまで来た。これは凄い。
前回のモスゴジは井上作品のなかでは一段劣ると思うので買わなかったが、今度は「歩きキンゴジ」である。
もちろん結構なお値段だが、子供の頃からの憧れ、イノウエキンゴジだ。キットを探して組み立てる手間を考えたら安いぐらい(その手間が愉しくもあるんだけどね)。


惚れ惚れする横顔。
将来、NATOや熱海城、あるいは他の原型師のキンゴジもリリースされるかもしれないが、これ一体あれば一生キンゴジは買わなくてすむ、ぐらいに今回の満足度は高い。


唯一残念なのは若干下顎が小さい気がするところ。
だから着ぐるみの再現性なら酒井さんのほうが上だと思うが、それでもこの迫力は唯一無二。
分割は目立たないし塗装も問題なかった。ベースに固定しづらいのが難と言えなくもないが、このサイズのレジンキットを組むことを考えればどうってことない。

本多猪四郎「大怪獣バラン」

『バラン』はもちろん大好きなんだけど、なぜか映画館で観る機会が無い。残念。
久しぶりに観たくなったのと、レンタル版にも特典やオーディオコメンタリーが収録されてるのを最近知ったのでDVDを借りた。

バランのシルエットと動きは一種官能的だ。
いくら中島春雄といえどもゴジラやラドンは着ぐるみを動かすのに精一杯だった感もあるし、逆にモゲラは無機的に歩いているだけだったので、バランが完成された初めての怪獣演技じゃないかと思う。
(あ、逆襲ゴジラがいたか…)
その場で回転したり首をぐるっと回したり、ものすごく生物的な動きだ。

小ぢんまりとした映画だが、そこがまたいい。
ライブフィルムの大量使用のせいで、海外のB級SFみたいな趣もある。
音楽はもちろん素晴らしいし、小粒できちんと美味しい作品だ。

「別冊映画秘宝 平成大特撮 1989-2019」

楽しみにしてた『平成大特撮 1989-2019』。

情報量が凄い。写真は少なめなので、小さめの活字でひたすらページが埋まっている。
必ずしも〈情報量=データの量〉ではなくて、作品のレビューは評者の思い出語りだったりする。
それが不満かといえば微妙なところで、多少のノスタルジーを含んだ語り口のおかげで、観たことのない作品でも面白く読めるページもある。

ベクトルは違うが、作品との距離の取り方が微妙なのは、元祖『大特撮』も同じ。
かたや行き過ぎた酷評、かたや思い入れ過多の礼賛。どっちも愛情ゆえだとは思うけど。
良くも悪くも、当時と現在の批評家によらない批評のあり方やそれを取り巻く環境の違いがよく解る。

まあ値段も安いし、少しずつ読めば、今年いっぱい愉しめるかも。

手塚昌明「ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS」

手塚監督は『メガギラス』も『メカゴジラ』もそこまで悪くなかったのに、なんでこうなっちゃったんだろう。
小泉博さん以外誰一人印象に残らない、というか魅力が無い。カメオ出演者も消えた。

テーマは意外と重くて、3.11以降だから響くものもある。ただそれを消化しきれてない。
脚本が悪いのかテンポも悪い。残念ながら音楽も苦戦してる感じ。

そもそも根本的にモスラとメカゴジラは住む世界観が違う気がする。