佐々木昭一郎「ミンヨン 倍音の法則」

2014年の公開時、前売りまで買ったのに諸々の事情で観られず、その後も諸々の理由で観ずにいた作品。
はやい話が、いまの佐々木昭一郎の感性を観るのが恐かった。

80年代後半以降の佐々木昭一郎作品からは、『川の流れはバイオリンの音』あたりまで確実にあった神通力が信じられないほど消え失せている。
好きな作家だからこその酷評ということで監督には許してほしいのだが、『七色村』なんて観れたものじゃなかった。

そして悲しいことに、『ミンヨン』もやっぱりそうだった。
監督の演出はハマると凄いが、主人公に感情移入できない場合は致命的だ。最後まで置いてきぼりを食わされてしまう。

不思議でしょうがない。あれだけの感性を持っていた人が、どうして凡庸以下の作品しか創れなくなってしまったのか。
普通、どんなにダメになってもどこかに光るところは残るはずなのに。
時代性だろうか。

そういえば、佐々木の初期三部作は相当アメリカンニューシネマから影響を受けているはずなので、考察が読みたい。
誰か書いてくれないかな。