V.A.「I Hear A New World; An Outer Space Music Fantasy By Joe Meek – The Pioneers Of Electronic Music」

無人島レコードの1枚、Joe Meekの『I Hear A New World』の拡大盤。

いちばんの目玉は、60年当時、ミークが構想した通りのミックス・曲順で『I Hear A New World』が収められていること。
(RPMが91年に再発したミックス・曲順のものもいままで通り収録されている)
ライナーによれば白レーベルのプロモ盤から収録されたようで、RPM盤と顕著にミックスが違うものもある。
個人的には91年盤に親しんでいるので、曲順への違和感はあるが、オリジナルミックスを聴けただけでこの再発の意義はある。

ディスク1の終盤と残りの2枚には、有名どころだとDaphne Oram、Stockhausen、Pierre Henryなんかの音源が収録されていて、『an anthology of noise & electronic music』シリーズのような感触。
いかにも電子音といった風情のピコピコ音楽が愉しい。

国内盤は輸入盤に帯が付いただけ。ライナーの和訳ぐらい付けてよ。そのために買ったんだから。

Joe Meek「I Hear A New World」

自分にとっての無人島レコードの一枚。60年代前半にそれこそ星の数ほど出たスペースラウンジの中でも屈指の一枚だと思う。

今でこそラウンジとかモンドに分類されるけど、これは執念と狂気の宿った音楽で、しかもあくまでもポップ音楽、という意味では「ジョンの魂」「スマイル」の先駆だ。
「The Bublight」「Glob Waterfall」他、とにかくとんでもなくストレンジで楽しい曲がいっぱい。

寒い夜にヘッドホンをして真っ暗な部屋で聴くのが好きだ。聴くたびに本当に新しい宇宙が聴こえてくる。
しかもそれは、大仰なパラボラが似合うレトロフューチャーな宇宙でもあるし、トライアンフスタジオで機材をいじりまわす嬉々としたミークの姿でもある。

タイトルの「I」にこめられた彼の想いを感じよう。